各自動車雑誌では大きく報道されたのでご存じの人も多いとは思いますが、日産GT-Rの開発責任者、「R35 GT-Rの父」の異名を持つ水野和敏氏が、今年の3月を持って日産を退社してしまいました。
なんとGT-R開発チームは解散となり、チーム構成員の方々は元いた部署に戻ってしまわれました。
水野氏の退社の理由や開発チームの解散の原因は諸説ありますが、守秘義務があるために関係者は堅く口を閉ざします。
もともとは日産/ルノー社長のゴーン氏の勅命プロジェクトだった日産GT-R開発プロジェクトも、ひとまずのマイルストーンを迎えたと言うことで、ゴーン氏の勅命プロジェクトからは外れることとなりました。この辺りが今回の顛末の直接のきっかけだったといわれています。
今回は、日産を辞められて身が軽くなった水野氏に直撃インタビューを敢行いたしました。
自動車開発の話としてでなく、日本の物作りの今後の在り方…という視点で読んで貰えると、他業界の人にも結構参考になりそうな部分があるかと思います。
【CarWatch】西川善司の「NISSAN GT-R」ライフ
第21回:元日産GT-R開発責任者、水野和敏氏に聞く「日産GT-Rの真実」(前編)
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20130704_606103.html
記事では、今後の日産GT-Rの方向性についても聞いていますが、ほんと、どうなるんでしょうね。
日産は2013年内に予約してあったニュルブルクリンクを初めとした国内外のサーキット占有枠を全てキャンセルしてしまいましたし、R35 GT-R開発ドライバーの鈴木利男氏も、水野氏の退社とシンクロして解任されてしまいました。
さらに、2000万円級の車を1000万円未満にすることに大きく貢献した日産GT-Rの混流生産ラインを開発した生産側のミスターGT-Rであられる宮川和明氏も日産を退社してしまいました。
そう、三人の「ミスターGT-R」がGT-Rの開発の現場から離れてしまったんですね。
左が「生産側のミスターGT-R」である宮川和明氏。右が「テストドライバーのミスターGT-R」である鈴木利男氏。水野氏を含めて3人のミスターGT-R不在の今後の動向は!?
日産としては、
水野氏を前面にフィーチャーした現在のGT-Rの在り方は2013年内一杯とし、2014年早々に行われるといわれるマイナーチェンジ、あるいはフルモデルチェンジの前倒しを行う事で水野色を払拭すると言われています。
慣例的にはこうしたモデル末期には限定モデルを出すのが慣わしですが、今回は水野氏が退社してしまったため、それもないようで、2013年モデルが事実上のR35 GT-Rのラストモデルと見る向きもあるようです。
こうした情報が流れているために、2013年モデルの駆け込み注文が一部の店舗で起きていると聞いています。
従来であれば年末に次年度モデルを出すことが「R35 GT-Rの恒例行事」でしたが、今年は、ミスターGT-Rが3人も辞めてしまい、サーキットテストも全キャンセル、そして日産自身が直近はGT-Rよりも売れ筋となるはずの新型スカイライン(近々日本でも正式発表。北米ではQ50として発表済み)に注力するために(GT-Rは、スカイライン、フェアレディZなどと生産ラインが同じ)、年内発表の可能性は低いという見方も強まってきています。
噂の域を出ませんが、2014年モデルからは性能に格差を設けるグレード制の導入や、サスペンションチューニングの変更などもあるとかないとかで、もし、今、GT-Rの購入を迷っている方がおられたら、オーダーストップがかかる前に早めに決断することをオススメします。
今回の記事末尾には、水野氏が衝撃のアナウンスを行っている点も、見逃せません。
この「衝撃のアナウンス」は、もしかすると、購入の決断の際の「最後の背中の一押し」になるかも知れませんね(笑)
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