SIGGRAPHのフォローに戻ります。
毎年、魅力的な先端技術展示が行われる「Emerging Technologies」は、今年も盛況でした。
レポートでは前後編の二回でまとめています。
下は、南カリフォルニア大学の研究グループ「Creative Technologies」が開発した、顔の表示に最適化した立体視ディスプレイ「An Autostereoscopic Projector Array Optimized for 3D Facial Display」のデモを撮影した動画です。
[SIGGRAPH]次世代のディスプレイ技術が垣間見えた,先端技術展示会場「Emerging Technologies」レポート(前編)
http://www.4gamer.net/games/999/G999902/20130805040/
映像は平面に投影されたモノですが、約一度単位の視差に対応した表示になっているため、人間が見ると完全に立体的に見えます。約一度の視差が再現されているということは、これを移動しながら見ても立体感が崩れず、シームレスに見えるので、本当にそこに立体物があるように見えます。
映像出力に用いたプロジェクタは72基。これを4基のRADEON HD7870に接続しています。いったいどうやってそれを実現しているか…等については記事の方の解説をどうぞ。
ちなみに、この研究グループはNVIDIAの顔面デモですっかりお馴染みとなった「デジタルIra」の顔面レンダリングやその関連技術を研究しているところです。
もう一つ面白かったのは、KINECTのようなモーション入力システムのゲームプレイにフォースフィードバックを与えるという研究です。
KINECTは、ゲームコントローラ無しで、身体の動きだけでキャラクターを操作してゲームが楽しめますが、手触り感が全くなく、モーション入力で華麗に敵を倒すことができたとしても、ゲーム世界からの反応はその結果としての映像だけです。
ゲームコントローラでゲームをプレイすれば、敵を倒したときなどはゲームコントローラがブルブルと振動して、ゲーム世界と繋がっているという一体感が味わえます。「現実世界とゲーム世界との相互インタラクション」という点において、KINECTのようなモーション入力システムは課題を抱えていると言えそうです。
[SIGGRAPH]空気で感じるフォースフィードバックや水面ディスプレイなど,ユニークな技術が披露された「Emerging Technologies」レポート(後編)
http://www.4gamer.net/games/999/G999902/20130808083/
そこで、ディズニーのテーマパークで使われる技術などのエンターテイメント分野で利用できるさまざまな基礎技術を研究している「Disney Research」は、この問題に対し、空気のビームを人間に放射することで、非接触でフォースフィードバックを実現する技術を発表しました。
そういえば、最新の軍事技術には、超音波兵器なんてモノまであるわけですから、振動を非接触で伝えることは物理的には出来ることなんですねぇ。
ディズニーランドとかで、この技術、近い将来実用化されるんでしょうか。
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