International CESのフォローに戻ります。
今年のテレビのメイントレンドは「4K」なワケですが、韓国メーカーは、これ以外に「湾曲」「有機EL」「21:9」「変形」といった提案をしてきています。
かつてはこういう変な新提案は日本メーカー、特にソニーあたりがお家芸だったのですが、テレビの根幹部材である映像パネル(液晶パネル)製造の主導が韓国メーカーに移ってしまっているので、近年はなかなか難しい状況にあります。
西川善司の大画面☆マニア第186回
韓国勢が作り出す4K/湾曲/有機EL/21:9ブーム
LG、サムスンとも“平面-湾曲変形型テレビ”を公開
http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/dg/20140110_630451.html
映像表示面が曲がっている「湾曲テレビ」は「テレビ正面前にいるユーザーから映像表示面までの距離が均一化されるために自然な見え方になる」というのがウリです。ただ、画面サイズが相当大きくないと意味がないともいえますが、もともと視線の入射角に対しての色変調割合が大きいVA液晶パネルでは、すべての画素をユーザーに向けられる湾曲テレビは好都合という話もあります。VA系のサムスンとしては、湾曲テレビはやや強引にでも推進していきたい思惑があるのかもしれません。
「有機EL」は、日本勢としてはパナソニックとソニーが一生懸命やっていますが、韓国勢のLGが「白色有機EL画素×カラーフィルタ」方式の有機ELパネルの量産に先行していて、競合に対して一歩抜きん出ている感じです。他社が1サイズ展開なのに対し、LGの有機ELパネルは複数画面サイズの展開も成功させています。LG方式は白色有機EL画素だけを作ればいいので、3原色それぞれに発光する有機物の塗り分けが必要な他社の方式と比べると製造難易度が幾分か低い優位性があります。
「21:9」は2.35:1のシネスコサイズの映像を視聴するのに特化した画面アスペクトモデルで、16:9映像を表示した際には左右に縦黒帯が出てしまいます。ただ、映画視聴をメインにした活用であれば21:9の方が都合がいいので、映画ファン向けには高い訴求力を発揮しそうです。21:9の横長画面の端に16:9映像を表示すると、空いたスペースに16:9のミニ画面を縦に並べられるので、マルチ画面での複数コンテンツ同時視聴と行った用途にも使えそうです。
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「変形」は、湾曲状態と平面状態を交互にモードチェンジできるテレビのことです。サムスンとLGは、共にこの変形テレビの試作モデルを展示していました。確かに一人で映像を見るときには湾曲モード、みんなで見るときには平面モード…というのはいいかもしれません。
前述の21:9テレビで、16:9映像表示の時は左右の未表示領域を可動スピーカーで覆い隠しておき、21:9映像表示の時は外側にスピーカーが移動して21:9の全画面表示を行う…なんていう変形モデルもあっていい気がします。
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