SIGGRAPH2014記事のフォローは今回で最後です。
もうSIGGRAPH ASIA 2014の季節ですしね。
最後はEMERGING TECHNOLOGIES展示セクションレポートです。
1つは「ちょっと変わったディスプレイ」を紹介したレポートです。
超音波を使った空中結像ディスプレイとか、毛皮に絵を描くディスプレイとか、見るものを「え?なにそれ?」と言わせるほどユニークなものが今年は出揃っていました。
大画面☆マニア的には、なんと!プロジェクタで液晶テレビのような光源のエリア駆動を実現してしまうカナダのMTTが開発した「High-Brightness Projection for True HDR」システムが気になりました(写真下)。
HDR表現が可能なレーザープロジェクタから超音波で毛皮に絵を描くシステムまで。SIGGRAPH 2014で見た斬新なディスプレイ技術
http://www.4gamer.net/games/999/G999902/20140830010/
詳細は記事を参照して欲しいのですが、MTTのシステムでは、光源ランプからの光を、映像の明暗に呼応する明暗分布に調整して映像パネルに照射することができます。
液晶テレビのエリア駆動では、光源となるLEDを液晶パネル直下にマトリックス配置して実践しますが、MTTでは、普通のプロジェクタと同じく光源ランプは一個で構いません。
MTTのシステムでは、光源ランプから面照射されている光を、反射型液晶(LCOS)素子を応用した「Light Redistributioning Modulator」という素子を用いることで、光源からの光を任意の明暗分布で再分配するのです。
光源からの光をLCOSで遮断してしまうのではなく、光を再分配するので、映像の暗いところには光を送らず、映像の明るいところに多くの光を割り当てる…というようなことができます。つまり、光源からの光利用率は、従来のプロジェクタよりもいいことになります。
うまく実用化できればプロジェクタの映像でも、「漆黒の黒」が表現出来るようになるかもしれません。
もう一つは、ゲームにも関係が深い、振動技術の新発明です(下写真)。
ゲームコントローラにはフォースフィードバック機能の一環として振動機能が搭載されています。
こうした振動機能は、従来のものはただ振動するだけですが、NTTコミュニケーション科学基礎研究所が発明した「Perceptual Attraction Force」ユニットは、特定の方向に引っ張る力を作り出すことができます。
CGキャラと触れあえる? 未来のゲームに応用できそうな「インタラクション技術」をSIGGRAPH 2014展示会場でチェック
http://www.4gamer.net/games/999/G999902/20140901112/
例えばゲームコントローラに内蔵して、下方向に引っ張る振動を与えれば「重い」という表現ができるようになりますし、上方向に引っ張る振動を作り出せば「浮遊感」を作り出せることになります。レースゲームなどで、左右に引っ張る振動を与えれば慣性表現なんかも出来るかも知れません。
ちなみに、上の写真は、釣りゲームで、魚のヒキを再現したデモになります。
ちなみに、この技術はNTT系が開発したものなので、携帯電話に内蔵することを狙っています。なぜ、携帯電話なのかは記事の方をどうぞ。
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