RADEON HD4800シリーズとGeForce GTX200シリーズをアーキテクチャ的に対応付けて比較していきます。
今世代のRADEONもGeForceもともに64ビット倍精度浮動小数点(FP64)に対応してきたというのがトピックですね。
(RADEONはRADEON HD3800シリーズですでに対応済み)
【特集】GeForce vs ATI Radeon - アーキテクチャ解説で紐解くGPU戦争"夏の陣" (前編)
http://journal.mycom.co.jp/special/2008/gpu01/index.html
ただ、その対応の仕方に両者の違いがあります。
RADEON HD4800シリーズは汎用シェーダユニット5基(というよりもSIMDユニット全体)でFP64のベクトル計算に従事しますが、GeForce GTX200シリーズはStreaming Multi-Processorあたりに(8基の汎用シェーダユニットで共有される形で)1個の専用FP64ベクトル演算ユニットが実装されています。
GPU全体がFP64演算に従事すると当然RADEON HD4800シリーズの方が最大性能は高いのですが、同時にはFP32演算が出来ません。
一方、FP64演算の最大性能は低くなりますが、全てのFP64演算器が動作していてもさらに同時にFP32演算器が動作できるのがGeForce GTX200シリーズの長所になります。
まぁ、特殊なベンチマークソフトを実行しないかぎりは、両者のこの特徴が現れることはないとは思いますが...
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ただ、RADEON HD4800シリーズのFP64演算機能は、実はRADEON HD4800シリーズとしては無効化されているので利用できません。同一コアのGPGPU製品のFireStreamシリーズとしてリリースされたときにだけ有効化されます。
一方、GeForce GTX200シリーズはGeForce GTX200シリーズであってもFP64演算機能が利用できます。
両者は、アーキテクチャ的な違いだけではなく、「GPUにおけるFP64演算機能」の考え方もそれぞれに異なるんですね。
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