9月4日と5日はマイクロソフトが開催したゲーム開発者向けのカンファレンス「Gamefest」の取材に行ってきました。
(前日の仕事が尾を引いた関係で午後のXNA関連セッションからの参加となりました)
まず自分がレポートしたのは、日本語で一般向けとして話されたのは初めてというDirectX11(Direct3D11)関連についてです。
[Gamefest 08#06]ついにテッセレーションを標準化,DirectX 11の新しい3Dレンダリングパイプライン
http://www.4gamer.net/games/033/G003329/20080908014/
DirectX11の新要素として注目されるのは
・テッセレーションの仕組みが標準的にレンダリングパイプラインに組み込まれること
・GPGPU向けの演算シェーダがサポートされること
の2点でしょう。
レポートのパート1は前者について言及しています。
(後者についてはパート2でレポートしています)
テッセレーションの仕組みは「ハルシェーダ」「テッセレータ」「ドメインシェーダ」の3つのシェーダステージからなり、テッセレータのみ固定機能シェーダで、ハルシェーダとドメインシェーダがプログラマブルシェーダとなっているのが特徴的です。
ハルシェーダでテッセレーションの計画を定義して、テッセレータで実際のポリゴン分割(サブディビジョン)を行って、ドメインシェーダで生成されたポリゴン(頂点)の成形(変位の適用)を行う…という流れになります。
低ポリゴンでアニメーションを実行して、テッセレーションによる多ポリゴン化+ディスプレースメントマッピングで、LODレベルやGPU性能に応じてスケーラブルに多ポリゴン化してディテールを盛り込んでいく…というのがDirectX11時代のゲームグラフィックスエンジンのスタイルだと説明されています。
DirectX11の提供時期は「2009年後期から2010年前半」だそうで、実際のDirectX11対応GPUの登場時期もそのくらいになると見られます。まだあと1年くらいは現行GPUは生きながらえることが出来そうです(笑)
なお、DirectX11は次期Windows7と、そして現行Windows Vistaに提供されます。DirectX11はDirectX10.xのスーパーセットになるので現行のWindows Vista SP1のDirectX10.xに置き換わって実装されると予想されます。また、Windows Vistaの次期Service Pack(SP2)のタイミングで提供されるんでしょうかね。
そういえば今回もWDDM2.x(GPUのノンプリエンプティブ・マルチスレッド化)の話が聞かれませんでしたね...
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