年末、ホラーゲームは「DEAD SPACE」で決まり!

 米EAが、あまりにもそのショッキングな表現?のために、日本、ドイツ、中国で自主的に発売を見送った宇宙サバイバルホラーの「DEAD SPACE」ですが、並行輸入盤が入ってきています。

 大宮のソフマップでも売っていましたし、話題性もそれなりにあるので、入手性は思ったよりもいいみたい。

 ボクも仕事でプレイしたのでネタバレ満載で内容を紹介しておこうと思います。

 結論からいうとかなりの良作でした!
 年末、ハラハラ・ドキドキ(死語)したいならばこれでしょう



 どんなゲームかというと、一言でいうならば宇宙版「バイオハザード」です。
 ただ、発売禁止になるくらいなので表現はかなりハードで躊躇はありません。ただ、犯罪を助長したり、弱者を苛めるような表現はなく、登場するモンスター達に人間側がやたら食われてしまうのがすごいというだけです。猫が生きた魚をバリバリ食う様を見ていられれば(笑)、大丈夫だと思います。
 猫がモンスターに、生きた魚が人間になっただけの話です

 以下の画面ショットはボクがプレイ中にキャプチャしたもので、実機からの映像です。
 GeForceGTX280とAthlon X2 6000+で全最高設定オプションで1920×1080ドットで60~80fpsくらいでていました。
 グラフィックスはDirectX9/SM3.0ベースで現行のトレンド技術を大体活用していて、グラフィックスクオリティはかなり高いと思います。

 時代は、地球を飛び出して銀河を股にかける恒星間航行技術を実用化した遥か未来。
 資源採取のために外宇宙の惑星を大陸ごと削り取って採取する巨大な採掘宇宙船「石村号」が、ある日を堺に突如、音信不通となります。
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 通信システムの故障と判断した地球宇宙軍は腕利きのシステムエンジニアの主人公とその同僚の女性、そして何人かの軍関係者と共に石村号へと向かうことになるのです。
 主人公は石村号が音信不通になる直前に、石村号で働く恋人のニコルからビデオメッセージを受け取っており、その内容があまりにも奇妙で不気味で彼女の安否を気遣っている…という分かりやすい任務への動機付け設定が成されています。
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 主人公の名前アイザック・クラークは巨匠のSF作家2名の名前の合成ですし(笑)、採掘船が日系企業で軍との結びつきが強い設定は映画「エイリアン」と同じで、いろいろとSFファンをニヤリとさせる要素がちりばめられています。

 宇宙船石村号に下り立った面々ですが、よくあるパターンで、船内には人影がないのです。
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 それで船内状況をコンピュータで調べていると突然警報が鳴り、照明が消え、得体の知れない生物がクルーの何人かを襲います。あわてふためき方々に逃げたクルー達はそれぞれが孤立してしまうのです。ま、バイオハザード1のパターンですな。

 主人公はおそるおそる、船内を探索することになるのですが…期待を裏切りませんよ。
 これですから。
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 でもって、これもんですから
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 船内は戦闘が行われた痕跡があり、そこら中に死体が散らばっていて、まさに地獄絵図です。
 スペキュラマップ+法線マップによるネチョネチョした粘りけのある質感のおぞましい変な肉片が至る所に付着していて、ところどころ人体の部位や顔のようなものもあります。

 この辺りのアートコンセプトはセガの「エイリアンシンドローム」を連想させます。

 主人公アイザックは探索を続けるのですが、ところどころ生存者にも遭遇します。ただ、みんな精神が崩壊してしまっていて死体を切り刻んでいたり、異常な行動をとっています。
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 しかし、この死体を切り刻む行動には意味があったのです!

 ネタとしてはよくあるパターンなのですが、石村号が採掘した惑星の鉱物から急速にタンパク質を変位させるウイルスが発見され、これが船内に蔓延してしまったのです。しかも、このバイオハザードはどうやら人為的に起こされたらしいと言うことも主人公と同僚の女性との調査の過程で分かってきます。

 生存者は研究職員が多く、彼らは人間の赤子でも人体実験をしていたことを打ち明けてきます。ひどすぎる…。
 研究職員、「たすけてくれー」とか言っている間に
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 自ら作り出した赤ちゃんモンスターに瞬殺されるの巻。
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 赤ちゃんモンスターは触手を展開してそこから溶解性の肉団子みたいなものを飛ばしてきます。

 で。このバイオハザードは、これまたよくあるパターンなのですが、石村号の科学医療チームがこのウイルスを船内に持ち帰って、軍用や人体強化に使えないか研究をしていたことが原因だったのです。この辺りの設定は映画「エイリアン4」とよく似ています。

 このウイルスは生死に関わらず感染し、感染後は手足、骨などの枝状の組織が異常に成長してしまいます。脳組織の有無は関係なく、とにかく成長できる枝状の組織があれば移動できるモンスターに成長します。

 自己増殖能力を持っているタイプは飛行能力を持ったエイのようなものを生み、このエイが死体に取り憑いて触手を差し込むことでウイルスの感染を広げます。エイは映画「エイリアン」におけるフェイスハガーみたいな感じですかね。
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この画面の奥に地面を這っている白っぽいヤツがそれです(ここでは地面を這っていますが飛びます)

 感染した死体は、新たに死体を作り出すために生きているものを殺しまくる行動をするのです。

 五体満足の死体は新たなモンスターを生み出す可能性があるため、だから、気の狂った生存者達は死体を切り刻んでいたというわけです。

 というわけで、このゲームのモンスターは胴体を撃っても簡単には倒せません。もちろん多少のダメージは与えられますが、銃弾が足りなくなります。脳組織は関係なく、ある原理で行動をしているので頭部がない死体でも手足や骨があれば感染後は動き出します。
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 簡単に倒すためには、このモンスター達の手足や触手を切断していかなくてはならないのです。これがこのDEAD SPACEの特徴的なゲーム性になっています。
 だから、ちょっと残酷ですが、シーン内に死体が転がっていたら積極的に踏みつぶしてバラバラにしておかないとモンスターに変異してあとあと苦労します。
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 モンスター達は動きが速く、しかも、触手や手足を切り落とさないといつまでも生きています。このスピードの速さと生命力の高さはこれまでのゾンビ系ゲームとはちょっと異質です。

 ダーンと登場して
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「きゃー!」
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足を狙って切断レーザーを発射!
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見事切断!!
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もう死んだかと思って近づいたらまだ生きていた!
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プレイヤー、足食べられてゲームオーバー(笑)
このゲーム、ゲームシステム的にゲームオーバーになっても、食べられ切るまでゲームオーバー描写が終わりません(笑) 怖すぎる。

 イベント的なゲームモードも多く盛り込まれていて、単調にならないところもよく考えられています。

 こちらは、足を掴まれた主人公が、巣に引きずり込まれる前に、モンスターの異常に長い腕の関節を切り落とせ!みたいなシーンです
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こういう感じはお化け屋敷アトラクション的でけっこう楽しいです。

 ボス戦も色んなパターンが用意されています。

 オーソドックスな巨大エイリアン。こちらは二回目以降は中ボス的に現れてくるので、倒し方をマスターしないと後半戦がつらいです。
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 このゲームでは照射した相手の時間を遅らせるビーム兵器の活用が重要になります。動きの速いボスはこのビームを照射し、動きを弱めてからの攻撃を心がける必要があるのです。たとえば、敵が弱点となる部位を露呈させた瞬間を見計らって時間遅延ビームを照射する…といった感じです。

 また、このゲームで特徴的な、念力ビームもボス戦には重要になります。
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 飛び道具攻撃を仕掛けてくる敵に対しては、その飛来する"弾"に対して念力ビームを照射して、逆にこれを敵に撃ち返す…といった攻撃手段が有効なのです。

 宇宙怪獣みたいな巨大ボスには石村号の対隕石兵器を活用しなければならないこともあります。
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 パズルゲーム的要素も多く、その多くが、無重力空間の宇宙という舞台を活用したユニークなものになっています。
 ある立ち位置からは無理でも、無重力空間であることを利用して天地無用の見方で考えると「ああ…」みたいな。
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 無重力空間は死体が浮いていてかなり不気味なんですがね。

 通して最後までプレイしましたが、ゲームのストーリーがかなり面白かったです。
 こうしたエイリアンものではこれまたありがちな、誰が敵で味方か分からない…みたいな疑心暗鬼になる部分ですね。
 隊長はとてもいい人そうなんですけど、時々、音信不通になってどこかに消えるし
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 そもそも自分に語りかけてきた恋人がなぜ五体満足なのか、それでいて決して自分を近づかせないのはなぜなのか…とか。
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 まー、ドラマのいくつかは、定番セオリーをわざと裏切るシーンもあったりで、ニヤリとさせてくれました。

 なんだか怪しかった隊長
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 あっさりボスに食べられちゃう(笑)
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 結局彼は、思わせぶりなだけで最後までとてもいい人だった(笑)
 (黒幕が別にいることが確信になります)

 SF設定が硬派なところもお気に入りです。
 船外には決められた酸素量の範囲でしか行動が出来ず、当然、無重力状態になります。
 しかも宇宙ですから無音の世界になって、スペーススーツ内の空気振動による音しか聞こえなくなります。
 この無音の世界でもヤツラは襲ってきますんで、振り返ったら「キャー」みたいなことがよくありました(笑)
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 遠くに見える美しい惑星の姿。よく見ると石村号によって削岩されたクレーターが見えます。浮遊する死体とのコントラスト感がたまらなくシュールな情景を作り出しています。

 グラフィックスも美しいです。

 モーションブラーももちろん普通に格好いいんですけど
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特に肉片や血しぶきに掛かっているブラーがスプラッターな感じが出てて凄いです。
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 後半には石村号から、問題のウイルスが発見された惑星に下り立つシーンもあるのですが、ここの情景はとても美しい異星情緒溢れる情景が広がっています。
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 まあ、この下り立った惑星の基地内もひどい地獄絵図なんですけども(笑)
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 でも、この夕日をバックに逆光状態で戦うボス戦はかなり美しかったです。
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 景色に見とれてるとすぐ上半身食べられちゃいますけどね(笑)
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 このゲーム、PC版はGame For Windowsロゴを取得していて、普通にXbox360コントローラが使えます。
 PS3,Xbox360,PCの3プラットフォームに発売されていますが、フルHDのフルシェーダーのハイレゾ・シャドウマップで快適にプレイできるのはPC版だけなので、PC版をお勧めしておきます。
ゲーム | comments (2) | trackbacks (0)

Comments

西川善司 | 2008/11/29 08:04
VSYNC ONだと強制30fps上限のようですね

洋ゲーのわりにはキャラクターモーションがしっかりしているのに感心しました。

ずいぶんとお金をかけて作られてますね。これ。
GGG | 2008/11/28 14:03
DEAD SPACEを詳しく紹介されててとても嬉しいです、最近特にお気に入りで通しで2周やっちゃいました(笑 和ゲーと違って安易に動画に走らず演出をゲーム内で消化してるのも良いですよね、不死身の敵を足止めしてガス冷凍やエンジン噴射!足を捕まれてからの脱出、無重力や宇宙空間での演出、STARWARS風固定砲台等等…アクション&ホラー映画、SFアニメなんかを実体験してる感じで凄く楽しめました(最後のオチも期待通り(笑)惜しむらくは日本での発売が…あ、あとPC版はVsync設定をソフトでオフ、Driverでオンだとスムーズに遊べますよね(ソフト側では30FPS制限が掛かってるのかな?)嬉しくてつい…長文すいませんでした

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