欲しいクルマもないし、そもそも金もないので、今回もセブンの車検を通しました。新車で買ったものの、もう7年目です
長く乗るためと、安定した馬力の絞りだしということで、冷却システムの補強を行いました。
インタークーラーを交換してのVマウント化です。
ちなみにクルマに詳しくない人に説明しておくと、インタークーラーというのはターボ車特有の部位でエンジンに送り込む空気を冷やす装置です。気体は温度が低い方が体積が小さく、同じ体積で言えばより多くの酸素を含むようになるので、冷えた空気をエンジンに入れた方が好都合なのです。で、Vマウントというのはエンジンを冷やす冷却水を冷やすラジエターと、そのインタークーラーを両方とも走行風にあてる配置法で、レーシングカーなどでも採用されるもっとも「よく冷える」レイアウト方式といわれています。
Vマウントキットというと、最近だとRE雨宮、レボリューションなどの有名ショップブランドのキットが人気ですが、結構高額な商品で、そこまでの金もなかったし、そもそもラジエターは50mm圧の高効率タイプに交換してあったので、このラジエターを活かした形で、インタークーラーのみの買い換えでVマウント化したいと思って色々探していました。
そこで目に付いたのが、
オーバードライブのVマウントキット「V-SPECインタークーラー・キットⅡ」です。
オーバードライブのキットは純正互換ラジエターが流用できるキットで価格が安く、コストパフォーマンスが高いと考えたんです。
幸い、車検をお願いしたスーパーオートバックス戸田のイベントセールにオーバードライブがやってきていて、商品と工賃がかなりお安くなるという事で決めました。
取り付けはいつもボクのセブンを見てくれている、
スーパーオートバックス戸田のRX-7(FD3S)のエキスパートのメカニックT氏にやってもらいました。
メカニックのT氏はRE雨宮のVマウントキットなどを何台も付けた実績があり、ロータリー車の走行会のサポートもされている方なのですが、そんな方でも作業は困難を極めたそうです。
そもそもキットに含まれているのはインタークーラー本体と付随パイプ、各種ステーだけで導風板などは含まれません(ボルト類もあまり入っていません)。
「取り付け説明書はなく、取り付けたあとの車両の写真を収めたCD-Rが同梱されているだけなので、プロでも過去に他社製のVマウントキットなどを取り付けた経験がないと難しい」とのことでした。
また、実車の純正部品の自前加工も多いそうで、問題解決能力がないとダメみたいですね。最寄りのショップ等に依頼される際はその辺りは要注意と言うことで。
それと、ラジエターが純正またはその互換タイプの流用になるのでパイピングが長くなり、しかもその加工用のパイプはキットに含まれません。なので、元々付いていた純正パイプを加工するか、新たにパイプを用意する必要があります。また、冷却水の交換は、取り回しの関係上、そのパイプを脱着して行わなければならず、けっこう取り扱い自体も難しめのようですね。
そして、特に困難を極めたのがエアークリーナーとインタークーラーの干渉の回避です。
キットに含まれるインタークーラーは純正比3倍相当の大きさになるので、取り付けの際にエアクリーナーに衝突してしまうのです。
ここの部分は代理店を挟んでの一悶着あったようなのですが、HKSの既製品のエアークリーナーのパイピングと、うちの車両に元々付いていた藤田エンジニアリングのエアークリーナーのパイピングの両方を活用して、なかば強引にインタークーラーを収めました。
手前側のエアークリーナーが変な方向向いているのはそのためです(笑)
ここの根本にはブローバイを回帰させるエアポンプがあって、これがなければ、かっこよく縦に並べられたのですが…。ちなみにエアポンプを取り去って、ブローバイガスを排出してしまってもクルマには何の問題もないのですが、大気を汚すため、車検に通りません。
そして、もう一点、今回を機にスロットルまでのパイピングも純正の樹脂タイプからステンレスタイプへと新調しました。
また、今回は、簡易的な導風板も取り付けてもらいまして、フロントバンパー部で吸入した空気は確実にラジエターとインタークーラーに導かれるようになっています
で。仕上がりはこんな感じになりました
かなり綺麗ですよね
一時凌ぎとして燃調コンピュータ(PowerFC)に、このインタークーラー用の"吊し"セッティングデータをオーバードライブが入れてくれたのですが、まったくうちの車両と合わず、燃調が狂いまくりで、アイドリングも凄いハンチングを起こす有様。
結局、この後、2年ほど前、うちのセブンのエンジンを作ってくれたチューニングショップ「TFR」に再び車両を預けることになったのでした。
結論としては…
・オーバードライブのVマウントキットは価格は安いが取り付けはかなり難易度が高い
ということで。
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