HDRレンダリングの話の続きです
HDRレンダリングの第二の効能は、HDRレンダリングされたフレームに対し、露出のシミュレーションを行うことで、人間の目や絞り付きのカメラで捉えたようなフォトリアルを再現できるという点にあります。
西川善司の3Dグラフィックス・マニアックス第43回
HDRレンダリング(3)~HDRレンダリングの第二の効能
http://journal.mycom.co.jp/column/graphics/043/index.html
この工程はトーンマッピングと呼ばれます。
記事では詳しく述べていませんが、トーンマッピングの手法にも各ゲームスタジオには一家言があります。
トーンマッピング用のトーンカーブについて「ヴァルキリープロファイル」シリーズを送り出しているトライエースでは実在のカメラモデルを研究して得た非線形カーブを簡易実装していました。
参考→
3Dゲームファンのための「ヴァルキリープロファイル2」グラフィックス講座
次世代機を睨んだユニバーサル設計エンジンの秘密に迫る
トーンカーブ処理に欠かせない平均輝度の算出は、上の画面のHalfLife2を手がけたVALVEでは、画面中央付近の輝度分布を複数フレームに渡ってカウントして求める方式を採用しましたが、セガ「バーチャファイター5」では、得られたHDRフレームを1×1ピクセルまで反復的に縮小させ、その1ピクセル値を採択するというユニークな方法を使っていました。
参考→
3Dゲームファンのための「バーチャファイター5」グラフィックス講座
PCベースのアーケードシステムで実現される至極のリアルタイム3Dグラフィックスの秘密
話は飛びますが、プロジェクタの動的絞り機構は、トーンマッピングを逆変換する手法だと言えます。
動的絞り機構とは、映像の平均輝度に応じて絞りを開閉することで光源ランプからの輝度を調整して、LDRでしかないビデオフレーム(DVD映像etc,)をいわば擬似的なHDRフレームへと変換するわけですからね
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