GPGPUのプラットフォームが2009年内に4つ、出揃います。
後編ではこの動向をまとめてみました。(前編は
こちら)
4Gamer.net ― 2009年,本格始動するGPGPUの世界・後編~GPGPUのプラットフォーム動向
http://www.4gamer.net/games/076/G007660/20090206031/
まず、NVIDIA CUDAですが、NVIDIAは、一番早くから、GPGPUに力を注いでいたメーカーです。
NVIDIAは、GPU専業メーカーなので、CPUとGPUが統合されてしまった、彼らにとって最悪な世界までを想定し、CUDAに力を注いできたといえます。
つまり、これまでGPU設計で培ってきたGPU=超並列演算プロセッサの技術をHPC(High Performance Computing)の世界に応用していく"筋道(=CUDA)"を作り出すことで、万が一、GPUビジネスがだめになってしまったときにはHPCビジネスに切り換える…という戦略を用意しておいたというわけです。
つい先日の1月28日、
NVIDIAは、スタンフォード大学のBILL DALLY氏をチーフサイエンティスト兼NVIDIA Reseach副社長に任命しました。
彼はデータ並列コンピューティングのスペシャリストです。
今後のGeForceはますますGPGPUにフォーカスした作りになることでしょう。
対するAMD(ATI)ですが、親会社のAMDがCPUメーカーなのでGPGPUについては、ちょっと足並みが揃いきってない感じがうかがえます。つまりAMDとしては「汎用コンピューティングはマルチコアCPUでやる」という戦略もあるわけで、手放しで「GPGPUはCPUよりもすげえぜ」と単純に訴求できないジレンマがあるのです。
結果、GPGPU環境「ATI Stream」の整備はライバルにも遅れ気味でしたし、民生向け(RADEON)への対応は2008年12月になってやっと行われたという状況というわけです。
やはり、AMDは、CPUに依然と、重きを置きつつ、PCシステムにおけるコプロセッサ、アクセラレータ的な位置づけでGPGPUを捉えていると思われます。
今後もしばらくは、RADEONは、"グラフィックスプロセッサ"としての基本設計を維持しつつ、GPGPUにも対応する…というスタンスになると推測されます。
マイクロソフトのDirectX演算シェーダ(DirectX Compute Shader)は、PCゲーム開発者にとっては待望のGPGPUソリューションとなるかもしれません。
DirectXに統合されてしまっている長所と短所はありますが、ATI(RADEON)もNVIDIA(GeForce)も関係なくGPGPUが利用できるのはユーザーにとってもゲーム開発者にとってもメリットがあるからです。
KhronosのOpenCLは、文字通りオープンなので、Macと組み込み機器向けのGPGPUプラットフォームとして中心的な役割を果たすことでしょう。
OpenGLとのInter-APIが実装されていることでグラフィックスとの連携も図れます。
OpenCLの策定にはSCEも参加しているとのことなのですが、PS3の開発環境にも関係してくるんでしょうかね。
CUDA,Strean,DirectX,OpenCL..
.2009年は、4つのGPGPUプラットフォームの動向に要注目です。
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