「プリンス・オブ・ペルシャ」のレビュー記事が掲載されました。
メーカーチェックのためか入稿から10日以上たってからの掲載となりました。
このゲームは、チャレンジングなできばえになっていてゲームの本質デザインとして優秀なのですが、それ以外の周辺の部分にあまり力が入らなかったせいで、実際のできばえよりも低く評価されてしまっているのが残念です。
本質的なゲームプレイは楽しいのでお勧めなのですけれども…。
マイコミ~幻想的な世界でツンデレ・エリカ様を使いこなせ! PS3/Xbox 360『プリンス・オブ・ペルシャ』
http://journal.mycom.co.jp/articles/2009/02/12/pop/
低く評価されてしまう点をあえて挙げていくと…
※以下はネタバレを含みます
●戦闘シーンが淡泊
戦闘システム自体のできばえはよいと思います。エリカ様発動による魔法攻撃、つかみワザによる投げシステム、ガード弾きシステム…など、洋ゲーの戦闘システムにしてはアクションとタイミングに配慮したゲーム性の高いものになっています。
ただ、ゲームを通してのモンスターそのものの登場回数が少なく、モンスターのデザインが異なるだけで、あまり、戦闘にドラマチックさがないのです。
モンスターの大群を相手にしたり、巨体モンスターが登場したり…といった戦闘シーンの見せ方の工夫、演出の工夫がなく、なんだか、最後まで戦っても、緑のスライムから青紫のスライムまでを倒した気にしかなれないのは損しています。
●ストーリー性にドラマチックさがない
エリカ様は実は死人である…というオチは映画「シックスセンス」にちなんだものとして、別にいいのですが、それを知らされるのはラストであり、ゲームっていうのはリアルタイム・エンターテインメントなので遊んでいく過程のストーリー展開にワクワクさせられるべきです。
壮大な幻想世界をベースにしている割には、アパートの狭いベランダの花壇に水をやるような感覚で、物語の流れと達成感が希薄なのです。
エリカ様との愛がテーマならばこの愛を揺り動かす障害や事件が必要なのに、ゲーム中のエリカ様は、終始、グラディウスのオプションみたいな安定した存在感です。
このあたりはベタでもいいから人間ドラマがあるべきだったと思います。
●会話システムに不満あり
エリカ様役の成海璃子の声優のできばえの悪さはそこかしこで語り尽くされているのであえてここでは蒸し返しません。むしろ、ラストの「エリカ様は死人だった」というオチのために、あえて棒読み演技をしていたという
超好意的な解釈も出来なくはありませんし(笑)
それよりも、本作では、会話ボタンを押さないと会話をしないというシステムがどうかと思いました。
押したら押したで、ゲームの進行を中断してまでやる必要のない無意味な内容。その内容たるや、昔のアドベンチャーゲームで言うところの「シラベル…」「…ナニモ、アリマセン」のやりとりと本質が変わりません。
物語の根幹となる会話や世界観にまつわる重要な会話は、ユーザーが任意に飛ばせるにせよ、表情演出、カメラアングルまでをしっかりしたカットシーンを設けて見せなければならないと思いますし、ゲームプレイ中の会話ボタンは、むしろゲーム攻略に関係するヒント的なセリフをしゃべらせる目的に使わせるべきでしたね。もちろん、ゲームを中断させない方向性で。
●「光の種」システムってどうよ?
浄化すると出現する「光の種」。スーパーマリオで言うところのコインみたいな存在ですが、作り込んだゲーム世界を二度遊ばせるための苦肉の策システムといったところですが…。
ボクは一生懸命ジャンプして光を集めていく地道な作業は「ディノクライシス3」を思い出しましたけども(笑)
ボクとしては、今作は、映画「マトリックス」で言うところの「1」と捉えて、制作が始まっている「2」以降に期待したいと思っています。
マトリックス1も世界観を延々と説明した壮大な予告編で、本質的な物語は「2」から始まったじゃないですか。
あんな感じで。
2以降、とても期待してます。
なにしろ、「1」のエンディングで衝撃の事実発覚のエリカ様が、あの後、どうなっちゃうのか気になりますし。
今作のエリカ様のラストは、
ハイパーメディアクリエイターと結婚したあのエリカ様以上に凄いのです(笑)
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