HDRレンダリング編の最終回です。
最後は「トーンマッピング」について触れてみました。
シーンを現実世界のようにあらゆる暗さからあらゆる明るさまでを記録するのがHDRレンダリングですが、そうして生成されたフレームを人間の視界とか、カメラの撮像機構を真似るような感じで、「見られる映像」に変換するのがトーンマッピングになります。
西川善司の3Dグラフィックス・マニアックス第51回
HDRレンダリング(11)~トーンマッピング
http://journal.mycom.co.jp/column/graphics/051/index.html
最も手抜きな変換は、平均輝度以下を順当に暗くしていき、あるレベル以下は全黒に落とし込み、明るい方向も同じようにあるレベル以上は飽和させてしまうような、線形変換です。
先進的なスタジオでは、カメラや人間の視覚モデルに近い非線形カーブでトーンマッピングする実装を行っています。
上の画面はPS2の「ヴァルキリープロファイル2」(開発トライエース)のものですが、非線形カーブを3バンドの線形フィルタで近似化したものでトーンマッピングしたショットです。
記事では、(結果的には製品版に採用された)単純な線形フィルタでトーマッピングしたものとの比較を紹介しています。
トーンマッピングには平均輝度を求める必要がありますが、この手法もいろいろなものが考案されています。
記事で紹介している「HALFLIFE2」のVALVEの方式は、複数フレームに渡って平均輝度を求める調査を行うものでした。
複数フレームにまたがると正確性は落ちますが、処理負荷軽減の意味合いもありますし、なにより、その微妙な遅れ具合と不正確さが、実際のカメラや視覚の感じの再現になるので好都合なようです
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