確証は薄いが「火のないところに煙は立たない」的な記事を書くThe Inquirerがすっぱ抜いたのは「次期プレイステーションのPS4のGPUがインテル製になるかもしれない」というもの。
Intel will design PlayStation 4 GPU
http://www.theinquirer.net/inquirer/news/851/1050851/intel-design-playstation-gpu
まあ、これは順当に考えるとインテルのLarrabeeのことを指していると推測される。
PS3のGPUがNVIDIAになったのは久夛良木さんの大英断だったという話だが、平井体制下のPS4では過去に囚われない新設計を目指しているのだろう。
下手したらCELL捨てたりして??
今回のPS3。反省するにはまだ時期が早いかもしれないが、今の時点でも、いろいろ「ああすればよかった」という部分は見えてきている。
CELLプロセッサがじゃじゃ馬なのは我慢するとしても、GPUにデチューン版のGeForce7800GTXが載ったことが、開発者の間で、どうにも不評だ。
Xbox360が統合型シェーダアーキテクチャを先行採用したのに対して、PS3はクラシックな固定分配シェーダアーキテクチャで、先進性に欠けていた。
先進性に欠けていただけ…ならまだしも、CELLプロセッサ内のSPEの助けを借りないと頂点パフォーマンスが不足したり、決定的にフィルレートが足りなかったりと、PS3のパフォーマンス面で足を引っ張ってしまった感がよろしくなかった。
久夛良木さんがNVIDIAに話を持ちかけたとき、時期的にはNVIDIAはGeForce8800GTXの開発が最後期だったはずで、これを出し惜しみしたあたり、NVIDIAジェン・セン社長の"したたか"ぶりがうかがえる(笑)
基本的に、各ゲームスタジオはマルチプラットフォーム・タイトルでPS3版とXbox360版とでジオメトリ品質で差は設けていないようだが、フィルレートに関係する部分では差異を設けるのが今や普通になってしまった。
よく目にするのはPS3版でアンチエイリアス無し、Xbox360版でアンチエイリアス有り…という格差。
そういや、最近出たばかりの「ストリートファイターIV」も、PS3版はアンチエイリアスなし、Xbox360版はアンチエイリアスあり…となっていたっけ
.
まあ、PS3の不調はNVIDIAのせいだけじゃないけど、PS3には色んな不幸な巡り合わせがつきまとったのは事実。
ブルーレイを搭載したことは正解だったし、メディアプレイヤーとしてよくできているし、いいマシンなんだけどな。
…と、話を戻すと、ソニーとしては、今度は絶対に失敗できない「プレイステーション」となるだけに、今も色んな調査をしているってことなんでしょうねぇ。
マイクロソフトのXbox360だって今のPowerPC970互換のIBM-CPUに落ち着く前は、VIAのCPUの採用も検討していたという話もあったくらいだし、ソニーがPS4のためにインテルを検討するのは全然不思議じゃない。
ただ、Larabeeは、第一世代のものは、ATIやNVIDIAのハイエンドGPUには全く及ばないパフォーマンスといわれている。
テクスチャユニットに負荷がかかるとリングバスがパンクして思ったほどパフォーマンスがでないらしい。
なので、PS4に載せるとしても世代を更新させたものじゃないと、また、今回のPS3みたいにあとでケチがつくので注意したいところ。
あと、きっと対案として、もともとPS3のために開発していたが断念されたといわれているCELLプロセッサベースのGPUを復活させるというアイディアも再検討していると思われる。
ただ、1つだけいえそうなのは、PS4世代では、レンダリングパイプラインがソフトウェアに回帰するんじゃないかということ。
TIM SWEENEYが言っていたあの未来像。
最初、聞いたときには「そんなものかねぇ」という感じだったけど、早くもPS4時代に現実化するかもよ..
.?
以下、本ブログ内の関連エントリー
SIGGRAPH 2008 - IntelのCPU・GPUハイブリッドプロセッサ「Larrabee」の正体
http://www.z-z-z.jp/BLOG/log/eid137.html
CEDEC 2008 - EPIC GAMESのTIM SWEENEYが語る「10年後のゲーム機の姿、ソフトウェアの形」(前編)
http://www.z-z-z.jp/BLOG/log/eid163.html
CEDEC 2008 - EPIC GAMESのTIM SWEENEYが語る「10年後のゲーム機の姿、ソフトウェアの形」(後編)
http://www.z-z-z.jp/BLOG/log/eid164.html
Comments
ちゃちゃっとそれなりのゲームが作れちゃうXBOX360には勝てないよ。
切捨てるのは間違いだと思う。
もう箱●は追いつけないぐらいのグラ出してるゲームあるじゃんw
GPUをMSより良い物つめ
そんなのやってらんねー、ってなりませんかね。
まぁ、シェアガッツリ確保しちゃったらやるしかないんでしょうけど。
ジオメトリ量とレンダリング解像度、
HDR、AA
すべてにおいてGT5Pが上回っているように
思えますが
GT5Pの4xMSAA、ヘヴンリーソードの4xMSAAを筆頭に、レジスタンス、アンチャーテッド、キルゾーン2、ラチェットなどの独占タイトルは全て2xMSAAをかけているようですが…。
フィルレートの最大値が決まっている以上、AAアリとするためにトレードオフがあるはず、ということですね。
しかし、オンリータイトルであってもGT5PとForza2というジャンルが同じで要求される処理が非常に近いゲームを比べた場合、いかがでしょうか?
B3Dのフォーラムでは720pのレンダリング解像度でGT5Pは4xAA、Forza2は2xAAと言われています。
クルマのポリゴンもGT5Pの方が多く、更にクルマの台数もGT5P16台でForza2は8台と、私の目から見てどこをどう比べてもグラフィックのクオリティにおいてGT5PがForza2に劣る部分が見あたりません。
一体GT5Pはいかなるトレードオフによってこのクオリティを達成しているのでしょうか?
各プラットフォームにあった設計にて作られたゲームで、総合性能を比較されてみた方がよろしいのでは?
必然的に独占タイトルによる比較になるかと思いますが
サードパーティのマルチプラットフォームタイトルではジオメトリ量とレンダリング解像度の仕様がまず先に決定されてしまうために帳尻をAAのオン/オフで合わせるみたいな…感じになるんでしょうね。
ファーストパーティのオンリータイトルは「AAあり」を前提に他の部分も設計していくので、完成された映像を見ると粗が目立ちにくくはできるでしょう。
ただし、オンリーが故に比較対象がないので、最終的なクオリティとして「どっちがクオリティが上」という議論はできないです。