GDC関連の3Dグラフィックス講座連載が、まだ未掲載分が残っているので、そちらは一通り出揃ってからリンク集をまとめるとして、それよりも前にレギュラー枠として先に掲載された「ソニック・ワールド・アドベンチャー」編を示しておきます。
IGDAの講演でもお話しましたが、昨年から今年度の3Dゲームグラフィックスでは、急激にグローバル・イルミネーション(GI、大局照明)の導入が流行り出しました。
本当に、申し合わせたように流行りだしてまして、今世代3Dゲームグラフィックス三種の神器として取り沙汰される「法線マップ」「動的影生成」「HDRレンダリング」に、これが加わるのでは?という勢いです。
ゲームをあまり「技術」牽引型で開発しない日本スタジオは、こういう技術トレンド導入に遅れがちでしたが、今回はそうでもないようです。
そう、発売されたばかりのセガの「ソニック・ワールド・アドベンチャー」は、リアルタイムGIを導入して来ているのです!
今回の3Dゲームグラフィックス講座では、このあたりの話題を中心に取り上げました。
(以前、CEDEC2008で発表された内容よりもより詳しい内容になっています)
西川善司の3Dゲームファンのための「ソニック・ワールド・アドベンチャー」グラフィックス講座
3Dゲームグラフィックスのトレンドはリアルタイム・グローバル・イルミネーションへ
http://game.watch.impress.co.jp/docs/series/3dcg/20090410_110682.html
ソニック・ワールド・アドベンチャーでは、
・静的オブジェクトに対しては事前計算したGIをライトマップ的にテクスチャ出力したものを適用
・動的オブシェクトに対しては事前計算して設定しておいた多方向環境光でリアルタイムライティングする
という実装になっていますが、詳細の実装の差異はあれど、他の海外系スタジオの作品もほぼ同じ手法で、これが今世代のリアルタイムGIの標準的アプローチと言うことになりそうです。
ソニック・ワールド・アドベンチャーでユニークなのはリムライト表現にもリアルタイムGIを適用している点です。
これは取材中、話を聞いていて面白いと感じたのですが、取材時には、このテクニックには名前が付けられていなかったのでした。
そこで、原稿執筆時解説の都合上、ボクが勝手に「ライトフィールド・リムライト」という仮称を付けておいたのですが、その後、開発チーム内で「GIリムライト」を正式名として決定したようです。
GDC2009では開発チームの橋本氏がソニック・ワールド・アドベンチャーにおけるGIテクニックについて講演されていますが、この時、丁度、原稿の校正をお願いしていたためか、その時のスライドには「Light Field Rim Light」と
記載されています(笑)
「結局、正式名はGIリムライトにしました」と後から橋本氏からご連絡を受けていますので、以降、これで統一のようであります(笑)
EPIC GAMESなんかは「視差マッピング」に「バーチャル・ディスプレースメントマッピング」なんてキャッチーなネーミング(笑)をするくらいですし、日本の開発者もオリジナルテクニックにはやっぱり格好いい名前付けないとですよ
...!
Comments
疑似リアルタイムGIと呼ぶべき技術です。
3D技術の進化はすさまじいですね。
ググって、ググって、ググってしながら読んでいます。
個人的には2Dのソニックのほうが好きなんですけどね。