【5/2更新】西川善司GDC2009記事リンク集

 まだ入稿済みで未掲載のが1つありますが、自分サイドとしてはGDCが終了したので、GDC2009に関連した執筆記事のリンク集を示しておきます。

 入稿済み未掲載のものがあるのですが、それらが掲載されたときに随時、更新していきます。
 (掲載順を逆転して、新しいものが上に来るようにしました)



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西川善司の3Dゲームファンのための「CRY ENGINE 3」講座
ドイツが誇るゲームエンジン「CRY ENGINE」がPS3とXbox 360に対応!

http://game.watch.impress.co.jp/docs/series/3dcg/20090501_167933.html

今回は「CRY ENGINE3」編です。
(ちなみに、次回は「UNREAL ENGINE3」です)

CRY ENGINE3は「3」となっていますが、基本的には「CRYSIS」のために開発されたCRY ENGINE2をリファインして、PS3,Xbox360へ移植したものということができます。

 ホストPC上のエディタでのアップデートが、即座にクライアントのPS3,Xbox360の実機に反映できる仕組みがウリとなっています。
 簡単な実験やプロトタイプ作成はUE3以上にやりやすそうですね。

 グラフィックスエンジン的には、屋外シーンに特化したフィーチャーの充実ぶりが特長といえます。

 植物生成エンジンが自前ですし、水面にいたっては深い水深の波と浅い水深の波で違うシミュレーションが適用できますし、水底に"火線"を出したり、水底に色収差の効果を出したり、水際には泡沫をだすこともできます。

 天球も太陽を置けばその時間帯の空が生成でき、雲も動的に生成して動かせて、雲間に太陽が顔をのぞかせたときには雲のライティングもちゃんと変わります。

 物理シミュレーションも自前で、車両物理、紐物理、IKなども実装されていて、なかなか欲張りな仕様となっています。

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 プロダクション面での一番のポイントは、日本にローカルサポートの拠点を置くことを計画している点でしょうか。
 UE3はこれをやらなかったために、日本語で質問が出来なかったり、時差の関係で質問の答えが最短でも間一日があいてしまったり…といったことが問題になったようですが、そのあたりの問題についてCRYTEKは理解があるようで、CRYTEKでは本国のドイツ以外に、アメリカ、中国、日本、イギリス、韓国に現地言語でのローカルサポート拠点を置くことを公言しています。

 日本のゲームスタジオにも相当な営業を仕掛けているようで、すでにいくつかの大手にはCRYTEKのプレゼン部隊が訪れたとの報告がボクの耳にも入ってきました。たぶん、本当でしょう。

 どこかは今の時点では伏せておきますが、日本でも実験的に採用するところも出てくるかも知れません

 ちなみにCRYTEKはYerli三兄弟が起こしたスタジオで、2003年当初は小さいブースでしたっけ

 6年間でずいぶん大きく成長したものです.





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西川善司の3Dゲームファンのための「KILLZONE 2」グラフィックス講座(後編)
~オランダ精鋭部隊がCELLプロセッサで実装した「脅威推測型AI」の秘密

http://game.watch.impress.co.jp/docs/series/3dcg/20090424_153727.html

 Killzone2編の後編です。
 後編ではKillzone2のAIについて触れています。
 Killzone2のAIはCELLプロセッサのSPUで実装されているのですが、イベントドリブンなスクリプトベースではなくて、脅威を推測しながら自律行動をする設計になっています。
 事前生成によってマップ上に仕込まれたウェイポイント上の遮蔽情報を活用して敵から身を隠しながら進む賢さも実現されているのが凄いところです。
 まぁ、自律行動型の賢いAIが、必ずしもゲーム向きかどうかという議論はあるので「全てのゲームAIがこうなるべき」ということではありません。
 ですが、ゲームをコンピュータサイエンス的視点で見た場合、こういうAIが実装されるようになったということは感慨深いですね...





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西川善司の3Dゲームファンのための「KILLZONE 2」グラフィックス講座(前編)
PS3のハイクオリティグラフィックスはDeferred Shadingでキマリ!?

http://game.watch.impress.co.jp/docs/series/3dcg/20090417_125909.html

 SCEヨーロッパのファーストパーティであるGuerrilla Gamesはオランダの実力はゲームスタジオです。
 日本ではそれほどの人気でもないですが、Killzone2は、ヨーロッパ向けPS3ソフトとしてはかなりの期待作として登場しました。
 2007年夏、たまたま別件の取材でイギリスのブライトンを訪れていたとき、Guerrilla GamesがKillzone2でDeferred Shadingを採用したことを発表していました。
 SSAOとは原理としては違いますが、画面座標系でポストプロセス的にライティングを行うという意味においてはちょっとだけ通ずるものがあります。
 3Dゲームグラフィックスの技術トレンドも流行り廃れがあるのですが、まさに、最近は、Deferred Shadingが注目株のようで、採用タイトルが増えているようです.
 関係ないですが、この回から著者プロフィールが付くことになりました。しかも、冒頭に。何だ、このレイアウト(笑)
 他の連載も順次、付くようになるみたい。
 最初はまじめなプロフィール文を送っておいたのですが、ゲーム好きをアピールしてください…という駄目出しをされて書き直したら、いくつか加筆されてあんな感じに。冒頭の「三度の飯より~」の下りとかは編集部が書いた部分ですよ(笑)。格闘ゲーム好きは否定しないけど…。
 写真は毎回、自分が所有しているレアなゲーム関連グッズと共に映るというプロデュースがなされました。とほほ。
 第一回目はバーチャガンです(笑) 全然レアじゃないですけど。
 やっぱ次はゼビウススティックかなぁ うひゃひゃ



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「ストリートファイターIV」原点回帰
課せられた使命。それは「美化された思い出に答えること」

http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20090329_80128.html

 ストリートファイターIVの開発秘話セッションのレポート。
 今回のGDCでぼくが担当させてもらったセッションで唯一、技術関連以外のものです。
 みんなの記憶の中で美化されたストIIのイメージを具現化する方向での開発となったようです。
 ボクも結構やり込んでいますが、埼玉あたりだと既に筐体に過疎化が起きています(笑)
 その代わり家庭用機版でのネット対戦は結構盛り上がっていますね。
 「あの頃」の友達を集めてワイワイプレイしたくなるゲームです.



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西川善司の3Dゲームファンのための「God of War III」SPUプログラミング講座
新発想!SPUを汎用プロセッサとしてPPUとGPUの助っ人に活用する「GOW III」流並列プログラミング

http://game.watch.impress.co.jp/docs/series/3dcg/20090401_80260.html

 まだ未発売のGod Of WarIIIですが、PS3のCELLプロセッサのSPE活用術が発表されました。
 メッセージとしては「SPEを難しく捉えるな。汎用プロセッサとして考えて活用しよう」というようなものでした。
 要するに最初からSPEをうまく活用しようというのではなくて、まずはPPEだけでいいから普通に組んでみて、遅かったら、その遅い部分をSPEで実装して加速できないか…を検討してみるという方針です。
 いかにもファーストパーティ的な発想ですが、でも「それも一理あり」といった感じでしょうか.



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西川善司の3DゲームファンのためのIntel・Larrabee講座
3Dグラフィックス大革命。Intel・LarrabeeはDirectXとGPUをぶちこわすのか

http://game.watch.impress.co.jp/docs/series/3dcg/20090330_80150.html

 ものはまだないがLarrabeeの命令セットが一般公開されました、という話でした。
 ベクトルデータをスカラ分解して演算するために、マスクビットを活用したユニークな命令体系がウリです。
 どういうプログラミング言語が向いているのか自分にはよく分からないですが、たぶん、リアルタイムレンダラとかはアセンブラで開発するのがいいのではないかと思ってしまいますね。
 後藤弘茂さんの話だと「最初は16コア」という推測のようですが、果たして...



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西川善司の3DゲームファンのためのDirectX 11講座(後編)
低ポリゴン←→多ポリゴンのLODをDirectXが面倒みます
生まれては消えたテッセレーション技術、待望の標準化がDirectX 11にて実現

http://game.watch.impress.co.jp/docs/series/3dcg/20090327_80058.html

 DirectX11で実装されるテッセレーションステージの仕様が確定したというお話。
 細かいところではちょっと違うけど、テッセレータを固定機能ユニットとして組み込むという発想とか、ポリゴン分割したあとの頂点を後処理で意味づけする方針なんかはRADEONとかXbox360 GPUっぽい実装だ。
 というわけで、DirectX11では頂点シェーダ→ハルシェーダ→テッセレータ→ドメインシェーダ→ジオメトリシェーダ→ピクセルシェーダ→演算シェーダというようなパイプラインとなる。
 10年前の1999年だと、頂点演算が初めてGPU側で任されるようになって、ピクセル単位のライティングが始まったというくらい。進化したなぁ。
 ちなみに、ボクも丁度このくらいからCPU周りからGPU方面のトレンドを追うようになったんでした...



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西川善司の3DゲームファンのためのDirectX 11講座(中編)
非ゲーマーのアナタのパソコンも
DirectX 11演算シェーダーでスーパーコンピューターに変身する!

http://game.watch.impress.co.jp/docs/series/3dcg/20090327_79998.html

 DirectX11演算シェーダが、DirectX10.x世代GPUもサポートすることが明らかになりました。
 これでRADEONでもGeForceでも同じGPGPUプログラムを走らせることが出来るようになりそうです。
 Direct3Dに統合されている実装関係上、当初は3Dグラフィックスのポストプロセス用途として使われることが多くなりそうですけれども。
 ただ、DirectX10.x世代GPUはもちろん、最初のDirectX11世代GPUコンテクストスイッチングは遅いらしいので、あまりリアルタイム向けアプリケーションではないのかなあ...



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西川善司の3DゲームファンのためのDirectX 11講座(前編)
DirectX 11がDirectX 10対応GPUを延命
2倍メモリ1GB搭載の新Xbox 360の開発キットが発表

http://game.watch.impress.co.jp/docs/series/3dcg/20090325_79920.html

 DirectX11が2009年内にリリースされることがほぼ決定したようです。
 もともと「Windows7との同時リリースか?」みたいな噂がありましたが、Windows Vistaにも提供されるようです。
 ただ、リリース時にはDirectX11対応GPUが出ていない可能性も否定できず、そのためというわけでもないですが、DirectX11はDirectX9,10,11の3世代のGPUに対応します.
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