3Dゲームファンのための「Gears of War 2」グラフィックス講座

 今回の3Dグラフィックス講座は「Gears of War 2」編を書きました。
 GDC宿題シリーズとしてはこれが最後です(笑)

 今回もEPIC GAMESとやりとりして資料映像をいただいたのですが、なんと「あまりにも残虐」ということで、掲載予定だったムービーのうち、編集判断で2つが取り下げられてしまいました(笑)

 3D講座の連載にもレーティングが必要な時代が来たと言うことでしょうか(笑)

 ちなみに、カットされたのはチェンソー攻撃で部位が切り落とされる表現のムービーでした。

 本作は日本でも発売予定ですが、こうした表現が日本語版で残るのやら…

gow15.jpg
西川善司の3Dゲームファンのための「Gears of War 2」グラフィックス講座
究極の流血表現と残虐表現に見る新生「Unreal Engine 3」の実力とは?

http://game.watch.impress.co.jp/docs/series/3dcg/20090515_168708.html

 今回メインに紹介しているのは新生UE3の機能、そしてGears of War 2で採用された残虐表現テクニック、疑似GI、SSAO関連などです。

 特に技術的に面白いのは、後半で紹介しているSSAOの実装で発生したモヤモヤノイズを、Reverse Reprojection Caching(逆方向再射影キャッシング)の技術を使って、時間方向に適応型のボカし処理を入れるというテクニックでしょうか。

 Reverse Reprojection Caching(逆方向再射影キャッシング)とは、前フレームとほとんど変わらない画面座標位置のピクセルはライティングコンディションなどが変わらない限りはピクセルシェーダーの動作を省略して前の結果のピクセル値を採択しちゃうみたいなアプローチです。

 有望な応用先としては、たとえば立体視用のレンダリングが挙げられています。

 立体視では左右の目から用のフレームをレンダリングしますが視差は小さいので左右フレームの映像はそのピクセル値の大部分が近い値です。なので大胆に「似ている部分は同じでいいや」みたいな発想でレンダリングすれば簡単にフレームレートを倍増できる…というシナリオです。
 立体視の場合、60fpsの立体視フレームを生成するには左右の目分の60fps…すなわちGPU負荷としては120fpsになりますから、このテクニックは有望かも…というワケですね。

 EPICのGoW2では、このテクニックを残像ノイズ低減に応用しているのがちょっと変わっています。フレームの相関性を見ながらノイズを散らす…っていうのはなんだか、テレビの3Dノイズフィルターみたいな発想で面白いですよね。

 RPC技術は、もしかするとアイディア次第でいろいろと応用できる技術となるのかも知れません...



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Comments

(善) | 2009/05/20 22:08
メーカーは違いますが、この調子でDEAD SAPCEも日本で発売して欲しかったですね

ドイツでは結局、DEAD SPACEは発売されたらしいです
nae | 2009/05/17 08:04
3Dグラフィックス講座とても面白かったです。血液の表現をここまで手をかけて、きっちり作るっていうのは、ユーザーを楽しませることを大切にしているんだなと感心しました。

参考動画は、うちのモニタの設定を最大に明るくしても
全体が暗くて見れなかったのですが、どうしても見たかったので、
ダウンロードしてフィルタかけて明るくして見たら…とてもグロかったですw
mswar | 2009/05/16 14:39
さすがはepic。。。w
日本だと切断関連は厳しいところです。

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