ロサンゼルスのE3で、アンチャーテッド
2のプレイ映像を見て、「すげえな」と思って、「そういえば『1』ってどうだったんだっけ」と気になってました。
ちなみに、『2』のプレイ映像は
こちら(2の発売は2009年秋予定)
なお、「アンチャーテッド」はSCEAファーストパーティのNAUGHTY DOG社の作品なのでPS3専用です。
E3では同業の西田宗千佳さんが「『アンチャーテッド1』は、わたしのベストPS3ゲームです」といっていたのもあって、ロサンゼルスから帰国後、すぐに「1」を購入してプレイしてみました。
確かに、「TOMBRAIDERの男版」と揶揄されがちですが、その先入観のマイナス分があっても、考古学アドベンチャーとして
「よくできている」という表現以外が見つかりません。
PS3の初期作品の部類に入るはずですが、グラフィックス的には、今世代機の技術トレンドを全て押さえていて今見ても見劣りがしないのも立派です。
基本的には、シナリオドリブンで進行する、そのステージのゴールを目指すタイプのアクションゲームです。
敵が出現するガンアクション部と、先へ進むためのアドベンチャー的な謎解き部がバランスよく盛り込まれているわけですが、そのクオリティもかなり高いです。
ガンアクション部は障害物に隠れながら敵を狙い撃っていくGears of Warチックな三人称視点シューティングです。敵は結構賢くて、向こうも遮蔽物に隠れながらこちらの死角に回ろうという意志が感じられます。こちらが、動かずにいると、手榴弾を投げてきてあぶり出そうとしてきますし、かなり優秀で嫌なAIが動いているようです。
謎解き部はトゥームレイダーに近いですね。ここは言い逃れようがないです。
遺跡を観察して何がどこに隠されているのか、どこをよじ登ってどこに行けばいいのか、などについて見当を付けて、いろいろとインタラクトしていって宝物やアイテムを発見したり、それを鍵にして装置を作動させたり…。最初そのシーンに送り込まれたときに何をどうしていいかわからない、次に何をすべきかという点から自分で見つけていく…という感じの
適度な不親切感は、アドベンチャーゲームとしては必要不可欠だと思いますが、そこもいい案配でしたね。
それで通してプレイしてみて、「アンチャーテッドがすごい」と思わせてくれたのは、キャラクター達の魅力と、シチュエーションやロケーションのダイナミックな変化にあると思いました。
とにかく、飽きさせない、ハラハラとさせる要素が一杯盛り込まれていてサービス精神が旺盛なんです。
主人公はネイト(ネイサン)・ドレイク。プロのトレジャーハンターで、400年前の冒険家フランシス・ドレイク卿の子孫という設定。
ドレイクは、ホラばかり吹いている詐欺師ジジイのビクター・サリバンと組んで宝探しをしているんです。
そして、人気冒険番組「アンチャーテッド」の美人メインキャスター、エレナ・フィッシャーは、ヒロイン的役回りで、彼女は今回の冒険では、番組の新作エピソードとしてドレイク・サリバン・コンビの密着取材をしているんです。
目指すお宝は、黄金の都エルドラド。
400年前のご先祖様の冒険家ドレイク卿の残した手帳に書かれている、エルドラドへの道の暗号を解きながら謎の核心へと迫っていく…というのが「1」のお話。
オープニングバトルで、操作系の説明やキャラ設定の説明に相当するチュートリアルミッションをクリアすると、本編とも言える、大航海時代の元スペイン領の名も無き太平洋沖の無人島を探検することになります。
で、ここで、まず驚かされるのが川の浅瀬に打ち上げられた第二次大戦時代の赤錆びたドイツ軍の潜水艦。
なぜ、400年前の大航海時代の遺跡島に第二次世界大戦の遺物が?
400年前のご先祖様は、ここを冒険しているらしいのですが、そのあとナチスドイツもこの島を訪れているらしいということが分かってくるんですね。
基本的な手がかりが分かってきたときに、詐欺師のサリバンは、自らのこさえた借金の取り立てにやってきた武器商人ガブリエル・ローマンに遭遇してしまいます。
ローマンは、借金を返すか、宝の情報が書かれたご先祖ノートを渡せと迫ってくるのですが、ここから物語が大きく動き始めるんです。
武器商人ローマンは部下として地元の海賊達を雇っていますか、小間使い扱いにされている地元海賊達はその扱いに不満なのと、お宝を独り占めされることを懸念して、悪者同士、仲違いを始めます。
一方で、ローマンは、ドレイクの持つご先祖様の手帳を奪い取るために、ドレイクの相棒のサリバンじいさんを射殺する暴挙にでます。
しかし、サリバンはそのあと、島の別の場所でぴんぴんしている姿が目撃されるんです。そもそも武器商人の借金取りがなぜ、この遺跡島に?…まさか…仲間のうち誰かが導いた?…疑惑が疑惑を呼びます。
美人キャスターのエレナは、ヒロインの役割でありがちな「こんな危険なところ脱出しましょう」とはいわずに、何かを隠している風情で、一層、ドレイクを危険な冒険へとそそのかすんです。
誰が敵で誰が味方なのか。
ストーリーはドンドン複雑さを増して進行していきますが、これにシンクロして、カーチェイスあり、激流での川上りあり、仕掛けだらけの機械遺跡あり、断崖絶壁のロッククライミングあり…と、次から次へと冒険の舞台も変わっていきます。
ところで、我らが主人公ネイトは、こうした冒険活劇の主人公としては、意外に意気地が無くて、「エルドラドの秘宝なんかどうでもいいから早くこの島から出たい」というスタンスを常にとっています。インディ・ジョーンズやララ・クロフトよりも、よっぽど理性的な冒険家なんです。
しかし、刻々と変化していくストーリーとシチュエーションの方が、ドレイクを半ば強引に危険へと連れて行こうとするんですね。ここの話運びはダイハードなんかとよく似ていて、とてもユーモラスでそれでいてハラハラさせてくれます。
最終的に「エルドラドの秘宝」とはなんなのか。
それは実際のゲームをプレイしてのお楽しみ。
今まで、どうにもタイミングが悪くて、プレイしずまいで、あやうくこのまま出会いの無いままになりそうでしたが、ちゃんと今回プレイできてよかったです。
これはPS3ユーザーならばマストプレイだと思います。
今年の夏のPS3の新作ソフトは不作な風情ですし、「2」が今秋出る予定なので、「アンチャーテッド1」、やるには今夏は丁度いいかもです(笑)
お勧め!
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