発売されて1週間が経過した拙著「ゲーム制作者になるための3Dグラフィックス技術」ですが、この書籍に掲載されているかわいいイラスト達がどのように生まれたのかを紹介しておきましょう。
イラストを担当されたのはデザイナーの岡本圭介氏です。
あの書籍はMYCOMでの連載記事の割合が多いですが、連載時もイラストは岡本氏に依頼されています。
基本的には原画をボクが描いて、これをトレース・リファインしてもらってできあがっています。
その事例をいくつかご紹介しましょう。
これがボクの鉛筆による原画です。
そこら辺にある紙に殴り書きしてます(笑)
これは統合型シェーダ・アーキテクチャの概念を擬人化した図です。
これを岡本氏がリファインするとこうなります。
お見事ですね。
ちなみに、この図は実はずいぶん前に今は亡きDOS/V magazine用にボクが書き下ろしたものでして、DOS/V magazineでは、別の方がトレースしたものが広く転用されていました。ちなみに、これです。
別の例をもう一つ。
こちらはボクが描いたDirectX11のテッセレーションステージを擬人化した図の原画です。
この図を岡本氏がリファインしたのがこちらです。
見た目のかわいらしさだけでなく、見やすい図になっているところがいいですね。
ちなみに、この図はワークスコーポレーション刊の「ゲームグラフィックス2009」の記事にも用いていて、こっちの記事では、ボクのこの原画を別の方がトレースしていますので是非見てみてください。
というわけで、この本はイラストも見どころなので、気にして見てもらえると嬉しいです。
岡本氏のWebサイトは
ここです。今回の本に出てきている擬人化キャラクタがトップページにいますよ(笑)
Comments
もうちょっとGPUやメニーコアCPUの性能が上がれば3Dゲームグラフィックスに採用されることがあるかも知れません。
例えば、NVIDIAのプログラマブルレイトレイサー「OptiX」は数世代先の3Dゲームグラフィックスの元になるのでは?…ということを予感させてくれます。
http://www.z-z-z.jp/BLOG/log/eid456.html
開発に手間がかかれば、ユーザにも悪影響がありそうなので(企画されたゲームが頓挫したり、延期を繰り返したり)ハード会社には手間の軽減に関わる技術は協調して、採用して欲しいところですね。
次世代ゲームのさらに次のゲーム機ぐらいには、レイトレーシングが当たり前になってシャドウマップなどを作らなくてもいいようになっているのですか?
そんな、遠い未来を考えてもしょうがないですね(*^-^)
ご回答、ありがとうございました。
いくつかの理由が考えられます。
グラフィックスエンジンをテッセレータありきの設計にし直さなければならず、これをやってしまうと、PS3版との整合性がとりにくくなってしまう…このあたりが最も根本的な理由でしょうか。
現状、開発費の削減という意味では、各プラットフォームに特別な対応(テッセレーションハードウェアへの対応)を施すこと自体が開発費を上げてしまいますから、これを避け、ゲームグラフィックスの設計仕様が、各ハードウェアの最大公約数的なものになるのです(サードパーティの場合)
もちろん、全ての今度の次世代機でDirectX11世代から上(DX12?)世代のGPUが載ったきたりすれば状況は変わるかも知れませんね。
テッセレータ・・・これが個人的には謎の技術です。
近年、開発費の高騰がゲーム業界で言われているようですが
だったら、XBOX360でテッセレータに対応して作る手間を省ければいいのに
と思っていました。
もしかして、テッセレータに対応するのは大変だから誰も使わないのではと
一時期考えていましたが、PC版のDiRT2では短期間の延期でテッセレータを含むDirectX11の
最新技術に対応するようです。XBOX360版のDiRT2はなぜ対応しないのか不思議です。
このあたりのゲーム業界事情をご存知であれば
ぜひ記事にするなり、ブログなり教えて頂きたいですね。