かつて倍速駆動技術がテレビからプロジェクタに降りてきたように、今度は超解像技術がテレビからプロジェクタに降りてきました。
久々の大画面☆マニアは世界初の超解像技術搭載のプロジェクタです。
超解像技術と言えば東芝がレグザに搭載し、これに続いて三菱がディスプレイ製品に超解像技術を搭載して注目を集めましたが、世界初の超解像プロジェクタはEPSONからです。
西川善司の大画面☆マニア第122回
初の超解像技術搭載プロジェクタの実力は?
~3LCD搭載最新モデル エプソン「EH-TW4500」~
http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/dg/20091112_328341.html
超解像技術とは、広義には解像度変換技術の一種とも言えますが、いちおう、学術的には「埋もれてしまった解像度情報の復元/抽出」という定義があるそうです。
解像度無限大の現実世界の情景を、デジタル技術で切り出して(サンプリングして)撮影、あるいはこれを表示したとき、サンプリング定理で定義されるパラメータ群の組み合わせではカバーできずに消失してしまった情報を、その消失の過程を逆推測することで復元していきます。
超解像技術についての詳細は
西川善司の大画面☆マニア第102回で、特集しているので詳細はそちらをご覧下さい。
EPSONのEH-TW4500の超解像技術ですが、意外や意外、HD映像に効果的に効きます。
モヤっとしていたテクスチャ表現や微細凹凸の陰影が、自信ありげに描き出されるようになり、視力が向上したような映像になります。
(上の画像はEH-TW4500実機の超解像OFF→最大適用までの投射映像をアニメーションさせています。ずっと見てて下さい。どのくらい違うかが分かってくると思います)
効果としてはかなり面白くて遊び甲斐がある機能なのですが、EH-TW4500のリモコンに超解像レベルを直接、上げ下げするボタンがないのが痛いんですよね。
三菱の超解像対応ディスプレイには超解像レベルを上下させる[+][-]ボタンがあって、映像を見ながらリアルタイムにレベルを上げ下げして遊べるのですが、EPSON EH-TW4500ではメニューの階層深くまで潜って「超解像」設定に辿り着かないと調整できないんです。
EH-TW4500は2008年モデルの先代EH-TW4000に超解像技術を追加してリファインしたマイナーチェンジモデルなので、リモコン等も先代そのまま。リモコンデザインを変更することが出来なかったので、このような仕様になってしまったんだと思います。
そういえば東芝レグザもリモコンでは超解像レベルの上げ下げはできません。
せっかくの独特の機能、その機能へのアクセシビリティの配慮は欲しいところです。
EH-TW4500は超解像技術以外のホームシアタープロジェクターとしての完成度も高く、1600ルーメンという透過型液晶機ならではの高輝度性能も強い訴求力となっていて、総じてかなり魅力的な製品となっていると思います。
超解像技術が不要で、より一層の明るさを重視したいのであれば、超解像を搭載しないかわりにそれ以外の機能はほぼ同等で輝度性能に重きを置いた下位モデルEH-TW3500もオススメです。
EH-TW3500は最大輝度は今期ホームシアター機としては最大級の1800ルーメンで、ほとんどデータプロジェクタ並みです。価格もEH-TW4500よりも10万円も安いですし、ちゃんとフルHDですし、コストパフォーマンス的に申し分無しです。720p機を長らく使っていた人は、こっちにサクッと移行するのもいいかも?
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