今年のInternational CESの最後のレポートは、それまでのレポートでは括れなかった「おもしろネタ」を集めてみました。
かなりセンセーショナルだったのは、全く何もない空中に映像を浮かび上がらせるAERIAL 3D DISPLAY(A3D)の研究発表でした。
壁にあてたレーザーを高速に動かして、その残像で線画を作り出すのは、よく音楽ライブなどで使われますが、A3Dは、壁ではなく、空中に光点を作り出して映像を作り出すシステムです。
残念ながらまだ基礎研究のため、毎秒1000点ほどのドット画しか描けませんが、空中に光点が自発光で出現するのは不思議な感覚です。
どうやって実現しているのかは、記事を参照してください。
ちなみにしたの写真は、A3Dによって表示した時計の像です。
西川善司の大画面☆マニア第128回:International CES特別編
CESで見つけたユニークな技術/製品
~空中結像3Dやゲーム向けプロジェクタなど~
http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/dg/20100115_342617.html
この他、地味ながらも興味深かったのは、2視点の立体映像ソフトから多視点の立体映像を生成する技術です。
2視点映像から深度情報を生成するという発想は説明を受ければ「なるほど」という感じですが、当然、こうした変換技術は完璧ではないので、欠損している部分がでてきます。こうした不足情報は推測して補うことになるわけですが、このあたりのアプローチは、液晶の残像低減に用いられている倍速駆動技術における補間フレーム挿入に近いものを連想させます。
今年2010年は3Dテレビ元年ともいわれ、夏以降、ブルーレイソフトも3D対応タイプが出てくるそうなので、そうしたソフトにこのシステムを適用すればよりリアルな立体感が楽しめるかもしれません(多視点対応の3Dテレビが別途必要ですが)。
この他、このレポートでは、「明るくなった超小型プロジェクタの話題」「3D-DLPプロジェクタ」「LANで接続する液晶ディスプレイ」「2Dデジカメで3D写真を撮影できるようにするソフト」などを紹介しています。
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