2009年、電撃的に発表されたシャープの新液晶技術「UV2A」
発表された当初は詳しい技術解説した記事がなくて、どういうものなのかずっと気になっていました。今回、この技術の開発元、シャープ天理総合開発センターにお邪魔する機会が得られ、さらにUV2Aの父とも言える宮地弘一氏(シャープAVC液晶事業本部、要素技術開発センター、第四開発室-天理、参事)とお話する機会も得られたため、この記事を作成することが出来ました。
UV2A技術がまきおこす液晶大革命 -AQUOS 「SE1」&「LX1」- - Impress Watch
液晶テレビには二種類ある。UV2Aか、そうでないかだ!
http://ad.impress.co.jp/special/aquos1003/
高分子配向膜のレシピと、紫外線が照射されることによって高分子の側鎖が紫外線照射方向に傾く物理化学的な原理までは「企業秘密」ということで教えてもらえませんでしたが(笑)、それ以外の基本的な部分についてはだいぶ網羅できたかと思います。
以前、大画面☆マニアなどで、「液晶の動画ボケは、液晶分子の動きの"鈍さ"そのものをユーザーが見てしまうことも一因となっている」…と指摘したことがありました。これについて、読者からあまり賛同が得られなかったのですが、UV2A開発者の宮地氏は「それも液晶の動画性能に影響する大きな一因である」とおっしゃっていました。
従来のMVA液晶(シャープの従来のASV液晶がこのタイプ、サムスンPVAも基本的にはこれと同じ)では、電界発生によって巻き起こる液晶分子の傾斜がドミノ倒し的に行われるのに対し、Uv2Aパネルでは全液晶分子自身にイニシャルトルクが働いているため、電界発生すると各液晶分子はパラレルに一気に傾斜します。
イメージ的にはこんな感じですね UV2A(上) 従来MVA(下)
つまり、液晶分子の状態変化経過を見ることによって生じる、妙なうねり状のボケは、UV2Aで大幅に低減されることになるのです。
下は、UV2A(左)と従来のMVA(右)との液晶分子の状態変化を超スロー撮影した顕微鏡写真動画の比較です(双方の時間軸は同じです)。
UV2Aは一気に液晶が動いているのに対し、従来MVAではジュワっと動いているのが分かります。
UV2Aと従来MVAでは、応答速度スペックそのものは4ms(ないしはそれ以下)と大差ないですが、その応答の仕方が全く異なる…というわけです。
早い動画を見る…たとえばゲームユーザーなどにはUV2Aパネルはおあつらえ向きだと言えます。
これから出てくる3DテレビにもUV2Aパネルは適しているということができるでしょう。
興味がある人はぜひとも記事の方を見てみてください。
Comments