NVIDIAは7月16日、日本では珍しいGPGPUカンファレンスを開催しました。
David Kirk氏,「3ステップで取り組むGPGPU」を提唱
http://www.4gamer.net/games/076/G007660/20100719001/
今、日本の学術界では、空前のGPGPUブームです。
もしかすると、日本に限って言えば、金額ベースではハイエンドGPUはハイエンドゲーム市場よりも、もはやGPGPU市場の方が大きいかも知れません。
なにしろ同じコアのGPUが10倍の値段で、場合によっては100基単位で売れるわけですからね。
GeForceが10倍の価格で…と言っても、HPC用途で考えると、予算が大きく取れない大学の研究室などにとってはGPGPUベースのスパコンは価格破壊とも言えるくらいの安さなので、みんなこぞって飛びついているという状況です。
事業仕分けで蓮舫議員が「
世界で二番目じゃダメなんですか?」と言い捨てたスパコン分野ですが、その世界二位は中国の「星雲」(NEBULAE)でして、これが実はNVIDIAのGPGPUベースです。これはGeForce GTX480コアと同じTESLA C2050が4640基搭載されたシステムで2980TFLOPSの性能があります。
日本最速のスパコンは日本原子力研究開発機構の
「PRIMERGY BX900」になりまして、世界第22位です。これはインテルXeon X5570(2.93GHz)を4,314基(17,256コア)搭載したシステムですが性能は200TFLOPS程度で中国の星雲の10分の1以下です。
スポーツの世界もスパコンの世界も
世界一を目指さないと世界二位にはなれないって事ですかね。
ちなみに、日本でもGPGPUベースのスパコンが誕生していまして、これが日本で6位、世界では64位の東工大の
「TSUBAME」(つばめ)です。こちらはGeForce GTX280コアと同じTESLA S1070を170基(680GPU)を搭載したシステムで性能値は170TFLOPSです。
世界のスパコンランキングをもっと詳しく見たい方は
こちらをどうぞ。お隣、韓国の最速スパコンは日本よりも上ですね。
世界的に見ても、そのコストパフォーマンスの高さからGPGPUベースのスパコンは増加しているので、NVIDIAのGeForceがGPGPUに傾倒した作りになってきたのもうなづけます。
NVIDIAの社長(CEO)のJen-Hsun Huangは、もともとAMDの半導体設計者の出身で、「堅苦しいコンピュータはもういやだ」といってAMDを飛びだし、ゲームグラフィックスに傾倒したNVIDIAを設立したはずなんですけど、いつのまにかやっていることはAMDと変わらなくなってしまいました。
やっぱり「ビジネス」という側面を考えれば、いつまでも「ゲーム、ゲーム」って言ってられないんでしょうねえ。
まあ、でもご安心を。
Jen-Hsun Huang自身はかなりのゲーム好きなので、GeForceがなくなることはないとは思います。
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