だいぶ時間が経ってしまいましたが、9月にNVIDIAは今年もGPU関連の技術者向けのカンファレンス「GTC2010」(GPU TECHONLOGY CONFERENCE)を開催しました。
この時のレポートはマイコミジャーナルに寄稿しています
昨年はGPGPUに特化した開催でしたが、今年はGPUにまつわることであれば3Dグラフィックスはもちろん、ビジュアルコンピューティングまでを網羅する内容になっていました。
基調講演では、NVIDIAが次世代と次々世代のGPUまでのロードマップを示したことが大きく取り上げられていましたね。
GTC 2010 - NVIDIA、基調講演でTeslaの16倍の性能をマークする次期GPUの登場を予告
http://journal.mycom.co.jp/articles/2010/09/22/gtc01/index.html
NVIDIAは、過去の歴史の中で、未だかつて、ここまでの次世代GPUのロードマップを示したことがありません。そもそもNVIDIAでは、社外に向けて次期製品について語ることは社訓で禁じられているくらいなのです。
ここに来て、こういう将来のGPUの性能について言及し始めたのは、やはりGPGPUベースのHPC(スパコン)の導入を検討しているクライアント(お客さん)達に、「NVIDIAのGPUは将来も安心ですよ」ということを示したかったのだと思われます。
スパコンの世界では定期的な性能強化が必要になってきますからね。
なお、DirectX12の仕様やリリーススケジュールは未だ鮮明には見えてきていません。
なのにNVIDIAは、将来のGPUのロードマップを示してきたのはどういうことなんでしょうか。
これは、おそらくですが、NVIDIAが、これまでのような、DirectXのメジャーバージョンアップのタイミングに囚われずに、GPGPUユーザー(HPC分野のお客さん)のニーズに応えた新GPUの開発/提供を行う…ということの意思表明なのだと思われます。
NVIDIAは3Dグラフィックスを辞めることはありませんが、今後、ますますGPGPUを重視していくことでしょう。
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