GameWatchにて連載中の「
3Dゲームファンのためのグラフィックス講座」が書籍化されます。
340ページでオールカラー。
ページ数は増えてますが、価格は前回本から据え置きの4200円。
まぁ、安くはないんですけど、今回も印税率よりもオールカラーを選択していますので(笑)、見栄えは相当いいです。
ちなみに、一冊、売れてもボクの懐には、最安値の牛丼も食べられない金額しか入りません(笑)
さすがに、連載全部を収録することは出来なかったので、CEDECにノミネートされたPS2時代の名作達、プログラマブルシェーダ3.0を当時、誰よりも使い切ったアーケード作品、そして日本の技術力が海外に追いついたと実感させてくれたビッグタイトルの数々、ニンテンドーDSのグラフィックスを極めたあの作品などなど、全10作をピックアップしました。
今回のが好評であれば、定期的に書籍化を続けられたらいいなぁ、と思っています。
さて、気になる表紙ですが、編集部側の意向でこうなりました(笑)
目立ちますねぇ
エイプリルフールだったら信用してもらえなさそうですよね
まずは手にとってもらおうという事でしょうね。
発売日は11月25日です。
気になる「その内容」ですが、基本的にはWeb掲載版のリファイン版という位置づけです。
Web連載時は、編集コストが掛けられないため、映像素材を見せているだけで、アルゴリズムの説明は文章だけで図解がまったくなかったんですよね。
書籍版では、プロのイラストレータを起用しまして、これが補われています。
イラストレーションは、ボクの連載ではお馴染みのデザイナーの
岡本圭介氏です
例えば「鬼武者3」の章で用いられた、「簡易的な影生成手法である丸影
をボーン形状に配置することでリアルに見せる」というオリジナルテクニックを以下のようなイラストで解説しています。
一部の図解は、前回本「ゲーム制作者になるための3Dグラフィックス技術」のものを再掲しています。
アルゴリズムの解説は前回本の方が圧倒的に詳しいので、今回の本でも、ただ「前回本を参照してください」という記述にはせず、前回本の図解を入れてフォローしています。
あとは、Web連載版には、各スタジオから提供頂いた画像を掲載させていただいていますが「各素材のどこを見たら何が分かるのか」という根本的な部分が分かりにくかったので、下のように、書籍らしく、見どころをクローズアップしたり、マークしたりしています。
逆に書面上の素材をもうちょっと細かく見たいという人は、この書籍側のクローズアップやマークを目安にして、Web版の生素材を参照する…という活用も出来ると思います。
あと、Web連載版では、Web媒体の良さを活かして、静止画だけでなく、各スタジオから頂いた動画素材を見せていましたが、これも、一部の読者には、どこを見ればいいのか分からなかったようです。
そこで、今回の書籍では、ページを贅沢に使って、元の動画から見どころをコマで切り取って連続で掲載しています。
「なにか書き下ろし部分はないの?」という質問もありましたが、そうですね、それほど多くはありませんが、新しい話題や重要な話題を新規ネタとしてコラムで挿入しています。
下は、新しい大局照明技術「Light Propagation Volume」についての紹介を行っているコラムページです。
そうそう。
Web連載時は、インタビュー色というか、臨場感を与える意味合いで、技術者側の台詞文を名前入りで挟み込んでいましたが、書籍版では、これが全て地の文に置き換わっています。
これは、書籍としての読みやすさに配慮した…というのもあるんですけど、実は、もう一つ隠れた理由があるんですよ。
それは、役職が変わってしまった人、既にそのスタジオを辞めて退社してしまっている人に配慮する…という意味合いです。
スタジオによっては「退社した人は記事から省いて欲しい」という要望を出されるところもあるくらいなので、
結果、台詞を地の文に書き換えて、あえて"人物色"は省くことにした次第です。 なので、誰がどんな発言をしたのか…については、Web連載版を参照して欲しいと思います。
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