昨日、2010年後期のスパコンTOP500ランキングが発表されました。
同時にNVIDIAが「世界のスパコンのTOP5のうち、3つがGPUベースである」というリリースを打ちました。
ちなみに、 TOP5は以下のようになっています。
1位 Tianhe-1A 中国 2.507 PF(LINPACKの値)
7168(GPU数) 4.04 MW(消費電力)
2位 Jaguar 米国 1.75 PF(LINPACKの値)
n/a(GPU数) 6.95 MW(消費電力)
3位 Nebulae 中国 1.27 PF(LINPACKの値)
4640(GPU数) 2.55 MW(消費電力)
4位 Tsubame 2.0 日本 1.192 PF(LINPACKの値)
4200(GPU数) 1.340 MW(消費電力)
5位 Hopper 米国 1.05 PF(LINPACKの値)
n/a(GPU数) 2.93 MW (消費電力)
結局、1位と3位が中国になってしまいましたね。
日本のTSUBAME2.0は4位に終わりました。
で、この1位と3位の中国のものと、4位の日本のものがGPUベースになります。
今年、10月に誕生したばかりのTSUBAME2.0は、ノード間ネットワーク制御が中国のものよりも優れているとかで、1位が目指せるかも…という期待感もあったようなんですけどね。
蓮舫議員の事業仕分けでのスパコン関連事業への迷言「
2位じゃダメなんですか?」も、今になっては感慨深いものがありますな。
で、9月に行われたGPUコンピューティングのカンファレンス「GTC2010」の自分のレポートをブログで紹介しきっていないのを思いだしたので、以下に示します。
GTC 2010 - GPUコンピューティングは科学を支える3番目の柱に - Jen-Hsun Huang氏基調講演
http://journal.mycom.co.jp/articles/2010/09/24/gtc02/index.html
「科学の二本柱」は「理論と実験」、あるいは「推論と観察」などといわれますが、アメリカのコンピュータ学者のDaniel A. Reed氏は「コンピューティングは『第三の科学の柱』になる」と言ったらしいです
となると、その三本柱のトップを中国が押さえ始めてきたというのはちょっと脅威ですね。
実際、アメリカはこの事態を脅威に思っているようです。
米国、「中国スパコン世界一」に警戒論噴出
http://sankei.jp.msn.com/world/china/101029/chn1010291815005-n1.htm
NVIDIAのNVIDIA社長兼CEO、ジェンスン・フアン氏は、GTC2010の基調講演でこんなことを言っていました。
「科学はコンピューティングによって支えられ、NVIDIAはそのコンピューティングの基盤をCUDAベースのGPUテクノロジーで支えていくのだ」(ジェンスン・フアン)
そもそも、その根幹技術を中国に提供しているのは、米国企業のNVIDIAですからねぇ。
皮肉なものです。
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