9月のGTCネタ最後は、NVIDIA社長のジェンスン・フアンのインタビュー記事です。
実は、GTC会期中、最優先した書いたのがこの記事です。
NVIDIAは、
今後、チップセットビジネスから手を引くことを表明しました。
あくまで結果論ですが、ここに行き着くまでの道筋は、このインタビュー記事からもある程度、うかがい知ることが出来ます。
NVIDIAは、このインタビュー中、「我々はPCビジネスに対しては、GPUメーカーとして参入していく」というような意見を述べていると同時に「一部のビジネスレンジでは、もうx86アーキテクチャに依存しない形態に移行する」と言っているんですね。
GTC 2010 - NVIDIA社長兼CEO ジェンスン・フアン、NVIDIAの未来について語る
http://journal.mycom.co.jp/articles/2010/10/04/gtc04/index.html
そんな「脱x86宣言」をした彼らが、次にフォーカスしているのはARM-CPUです。組み込み向けCPUですが、近年の進化が著しいのはご存じの通り。
NVIDIAはARMのライセンスを受けているため、独自の拡張仕様のARMを設計することが出来ます。
NVIDIAが、このARMベースのビジネスレンジで力を入れているのがSoCのTEGRAです。
残念ながら、TEGRAは、任天堂3DSへの採用には至りませんでしたが、NVIDIAは、異様なまでにTEGRAに力を注いでいます。
ジェンスン・フアンは、「いわゆるネットブック・スペックのラップトップ端末やスレート端末はx86ベースである必然性がない。TEGRAこそがベストソリューションである」と述べていて「そうした分野での次世代の本命CPUはARMである」とまで言っています。
現在、NVIDIAは、GPUベースのHPC(スパコン)事業にも力を入れていますが、現状、演算リソースはGPUですが、指揮者の役割をしたしているのはx86-CPUです。
「脱x86」を目指したいNVIDIAにとって、ここは、「そのままでもいいけど、出来ればなんとかしたい」、いわば良性腫瘍みたいなポイントです。
このインタビュー記事の中で、ジェンスン・フアンは「将来的にはHPCにおける指揮者的なCPUにARMを使いたい」と冗談ぽく述べていますが、あながち、冗談では終わらないかも知れません。
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