ついにプロジェクタも3Dに対応がなされました。
100インチオーバーの3D映像がお手軽に家庭で楽しめるようになったと言うことです。
ソニーが発売した反射型液晶パネル採用の3Dプロジェクタ「VPL-VW90ES」は、ホームシアター向け3Dプロジェクタとしては市場投入一番乗りと言うことになります。
フットワークの軽さ…というか商品企画能力の高さは、さすがソニー、といったところでしょうか。
西川善司の大画面☆マニア第137回
待望のフルHD 3Dプロジェクタ登場
~完成度の高い3D、熟成の2D画質。ソニー「VPL-VW90ES」~
http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/dg/20101209_412558.html
実際に、製品を見ていくと、"一番乗り"の方を優先させたこと、そして価格を押さえ込みたかった両方の理由からか、VPL-VW90ESは、先代の2DプロジェクタであるVPL-VW85を3D向けにファンにチューニングしたような製品であることが分かってきます。
リモコンは3Dに特化したボタンもなくてVPL-VW85と同一ですし、本体自体のデザインも見分けが付きません。光源ランプも先代と同じですし、3D以外の機能はほとんど先代と同じなのです。
ただ、その甲斐あって、実勢価格は65万円前後になっており、"初物"としてはかなり安価です。
ちなみに、65万円というと、(製品ジャンルが違うので一概には比べられませんが)パナソニックの65インチの3Dプラズマ(TH-P65VT2)と同等の価格帯です。
同じ65万円の製品としてみた場合、直視型ディスプレイ方式のテレビであるTH-P65VT2は利便性が高く汎用性は高いと言えますが、100インチオーバーで3D映像が楽しめるという点では、VPL-VW90ESの方がコストパフォーマンス的には上だと言えます。
さて、VPL-VW90ESの実際の画質ですが、2D画質に関してはVPL-VW85で完成の域に達していたので文句なしです。
惜しむらくは、相変わらずPS3と接続したときにHDMI階調を誤認しておかしな表示になるところですが、それ以外はパーフェクトです。
ちなみに、このHDMI誤認問題ってVPL-VW60の時から直ってないんですよねぇ。いいげかんソニー製品同士の接続なのでしっかり対応して欲しいものです。
3D画質に関しては、悪くはないんですけど、完成度はやはり2D画質には及びません。
3Dメガネを明るさ優先にするとクロストークが多くなりますし、クロストークが一番少なくなるモードにすると映像はかなり暗くなってしまいます。
まぁ、先代をファインチューニングしただけで3D対応に仕上げた製品ということを考えれば、かなり立派な完成度だとは思いますけど。
いずれにせよ、次世代機があるとすれば、3世代前から使い続けた光源ランプを一新させて、より高輝度出力に改良し、映像エンジンと光学エンジンも3D向けへの最適化を進めて、フルモデルチェンジをしてくることでしょう。
本命の"3D-VPL"は、次世代機でしょうねぇ。
きっとソニーは、後発の、ビクターの3Dプロジェクタ「DLA-X」シリーズにリサーチを掛けるでしょうから、その意味でも、次世代機の進化の伸びしろは今から凄く楽しみです。
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