電子書籍版「3Dゲームファンのためのグラフィックス講座」や「ゲーム制作者になるためのグラフィックス技術」について

 時々、問い合わせを頂く

電子書籍版の『3Dゲームファンのためのグラフィックス講座』や『ゲーム制作者になるためのグラフィックス技術』は出ないんですか?

という質問ですが、"出ない"と思ってもらって結構です。

 なので、電子書籍版を待たれている方は、書籍版を購入していただいた方がよいと思います。

 「電子書籍版が出ない」理由は、書籍に盛り込まれているゲーム画面のスクリーンショットの数々に対して、ゲームメーカー側から「電子書籍への使用はNG」と言われてしまっているためです。

 両書籍は、もともとWeb記事がベースであり、そこにはバリバリ画面が掲載されているので、いわば焼き直しの電子書籍版にゲーム画面を転載したところで何の問題もないのではないか…と僕個人も思うのですが、出版社とゲームメーカーが交わした契約において「電子書籍はNG」という記載があるのだそうです。

 両書籍とも画面ショットは600点以上あり、書籍版の制作において、それらの許諾取得に担当編集者が2週間も掛かかったといっていました。

 電子書籍化に際して、もちろん、改めて交渉し直すことは可能なようなのですが、低価格で発売しなければならない電子書籍版において、この許諾交渉をもう一度やり直す…というのはコスト的に難しい…ということなのでしょう。(メーカーによっては「電子書籍への画面掲載は頭ごなしにNG」と言うところもあるようです)

 ありがたいことに、両書籍とも、中国と韓国の出版社から翻訳版のオファーを頂きましたが、「600点ものスクリーンショットを日本のゲームメーカー各社の広報と交渉しなおすのはコスト的に難しい」とのことで、全てお流れになっています。

 こうした諸事情を考えると、両方の書籍は、ほんと、よく刊行できたな…と思います。

 書籍への画面掲載許諾をしてくれた各ゲームメーカーの関係者には感謝の意を表しますし、編集スタッフ側には許諾交渉お疲れ様でした…という気持ちになります。

 この時ばかりは、自分が日本人で日本のゲームメーカーがある日本に生まれていてよかったな、とも思いますね。
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