1月頭はInternational CES 2011に行っていました

 まだ本調子ではないですが、ブログを書くくらいの気力は戻りました。

 大分遅れましたが、ラスベガスで開催された、自分の執筆した「International CES 2011」関連レポートをご紹介します。

 今年のラスベガスは例年よりも冷え込んでいましたが、気温よりも乾燥度合いが凄かったです。

 あとから状況を聞くに、滞在二日目くらいに喉をやられた日本人は自分も含めそこそこいたようですね。来年はマスクをしながら寝るようにしないとだめかも。



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【CES】LG、小型裸眼3Dテレビを発表。Smart TV強化
-偏光方式の3Dテレビに注力。新LED技術も
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http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20110106_418200.html

 LGエレクトロニクスのプレスカンファレンスレポートです。

 小型の裸眼立体視テレビやスマートTVなど、細かいものがいろいろ発表されたのですが、個人的には、「NANO FULL LED」テクノロジーが気になりました。

 これは、直下型LEDバックライトシステムの発展形ですが、LED自体をナノレベルで形成してそれをシート化する技術です。発熱の問題などをどうするのか…など、いろいろ興味がありますが、これが実現すると、いろいろと凄いことが実現出来るようになります。

 超薄型ディメンションで直下型LEDバックライトのシステムが組めることになる…というのはもちろんですが、今まで、数百レベルの分割制度だったエリア駆動を何千、何万…といったオーダーで実現出来ることになり、液晶パネルをほとんど自発光ディスプレイ的に活用できるようになります。



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西川善司の大画面☆マニア第138回:International CES特別編
CES 3DTV最新事情。グラスレス3Dレグザを考察する
~HD品質の3D表示/4K2Kの2D表示が両立できる秘密は?~
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http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/dg/20110107_418724.html

 東芝はハイエンド向け…というよりはプレミアム路線に裸眼立体視テレビ製品を強く訴求していくようです。つまり、3D眼鏡を掛けて見るフレームシーケンシャル方式の3Dテレビ製品は、今後も併売していくと言うことです。

 さて、何より興味深いのは、この東芝の裸眼立体視レグザは、4K2K解像度の液晶パネルを使い、しかもレンチキュラーレンズ方式の裸眼立体視を採用しながら、2D表示時には、液晶パネルのフル解像度である4K2K表示が可能であると言う点です。

 一般的にレンチキュラーレンズ方式では、2D表示時には、左右の目に同じ情報を表示する必要があるため、たとえば、2視差の裸眼立体視システムならば、パネル解像度は半分になってしまいます。ところが、今回発表されたシステムでは2D表示時にもフル解像度が維持できるというのです。

 記事では、筆者自身が勝手に推測した、最近急速に実用化が進んでいると言われる「液体光学系」の可能性について言及しています。


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西川善司の大画面☆マニア第139回:International CES特別編
ソニーの有機EL新活用。シャープは次世代Quattron
~パナソニックは3Dのクロストークを劇的に改善~
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http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/dg/20110108_418919.html

 ソニーは有機EL(OLED)を次世代映像パネルと訴求しながらも、2007年12月に発売した11インチの有機ELテレビ「XEL-1」以降、新製品を出していません。

 というか、XEL-1も2010年に生産終了してしまいましたし、その後の光景も発表されていないため、事実上、有機ELテレビの未来は明るいとは言い難い状況です。

 やはり障壁となっているのは、大型サイズの有機ELディスプレイの製造コストの高さです。レーザー蒸着技術など、技術的な目処は立っていますが、「そこまでして大型有機ELパネルを作る意味があるのか」という自問自答がソニーに次の一歩を踏みとどまらせているのでしょう。

 そこで…というべきかはわかりませんが、今回のCESでは、ソニーは、小型有機ELパネルをマイクロディスプレイパネル的に活用するユニークな手段を提示してきました。

 それは有機ELを使ったHMDです。
 
 見た感じでは、2~3m先に100インチ大画面があるようなイメージです。

 当然、3Dに対応しており、左右の目に対し、2眼分の2枚の有機ELが、各目用の映像を個別に同時表示するため、原理上、クロストークもあり得ません。

 画質も非常に良好で、試作機のわりには完成度は非常に高いと感じました。

 10万円以下で製品化が出来るとのことでしたから、是非とも実現して欲しいと思います。


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西川善司の大画面☆マニア第140回:International CES特別編
CES 2011に見た最新プロジェクタ事情
~三菱初のSXRD採用機やビクター「X9」など~
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http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/dg/20110109_419505.html

 プロジェクタ関連の話題はあまり豊富とは言えませんでしたが、それでも、シャープがフルHDの3D対応DLPプロジェクタ「XV-17000」を発表したり、三菱がソニーのSXRDを使った3Dプロジェクタ「LVP-HC9000D」の実機デモが公開されたりと、全くニュースがないわけでもありませんでした。

 予告だけでなかなか発売されなかった三菱LVP-HC9000Dはついに出てくるようで、近々、大画面☆マニアなどでも検証したいと思っています。

 それと、残念ながらシャープのXV-17000は日本での発売の可能性が低いそうです。

 結構、評判は高い製品ですし、現地で実機を見た感じではとても良い製品のように見えたので、日本で少量でもいいから発売すればいいのにと思うのですが…まあ、プロジェクタの場合は、「交換ランプの入手性」というのも重要ですから、確かに「少量を売り切り」されても困るんで…微妙なところです…。

 今、円高なので、並行輸入という手もありますよね。


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西川善司の大画面☆マニア第141回:International CES特別編
ビクターのシネスコTV、三菱の新レーザーリアプロ
~サムスン×LGの熾烈な韓国勢同士の戦いにも注目~
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http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/dg/20110111_419539.html

 今年もInternational CESでの韓国勢のパワーは凄かったです。

 もっとも、北米地区では、サムスンとLGが家電製品ではナンバー1,2のシェアを獲得しているので力の入れ方が違うのも当然なわけですが。

 3Dテレビに関して、2011年は、サムスンはこれまで通りフレームシーケンシャル方式を推進していくのに対し、LGは一転して「偏光型推し」に舵を切りました。この点で、両者は真っ向から対立し、ブース内では、互いの方式を批判するポップなどを掲げるほど激しい戦いを繰り広げていました。

 ちなみに、偏光型3Dというと、表示ラインの偶数ラインと奇数ラインとで、偏光方向を互い違いにするのが一般的で、この方式ですと、3D映像の解像度が半分になってしまうのが弱点として指摘されます。

 しかし、現在、Active Retarderと呼ばれる「動的偏光技術」の実用化が進められており、これが実現すると、液晶シャッターを含まない、安価なパッシブ型の3D眼鏡でもフル解像度の3Dが楽しむことが可能になります。

 これを一番乗りに実用化すると言われているのがLGです。

 3Dテレビはまだまだ進化しそうですね。
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