シリコンスタジオのWebサイトで連載中のコラム「Technical Insight」は、以前までは製作協力の形でコンテンツ制作に参加させていただいていましたが、今回からは、西川善司としての記名原稿となりました。
Techincal Insightでのレポートは、やや敷居を下げたカジュアル路線になっていて、今回のE3レポートも「がっつり何かを紹介する」というよりは、全体的な動向を俯瞰でレポートするようなスタイルにしています。
今回のE3編では、マイクロソフト、ソニー、任天堂の3プラットフォームのカンファレンスの内容を振り返り、総括するような内容としました。
また、来年2012年のE3は、例年通り、ロサンゼルスで行われますが、新しい情報として、2013年の開催が別の場所になる可能性が示唆されたことにも触れています。
シリコンスタジオ Technical Insight第8回 E3 2011レポート編
http://www.siliconstudio.co.jp/techin/index14_E32011.html
マイクロソフトは、昨年リリースされたばかりのKINECTが、そのソフトウェア技術の進化で、機能やパフォーマンスが向上したことをアピールしていました。
これまでKINECTはボーンの動きの取得のみで手の指の動きの取得は難しいとされてきましたが、新SDKでは、ある程度可能になったことが報告されました。
上の写真は「TOM CLANCY'S GHOST RECON:FUTURE SOLDIER」のKINECT対応版のデモの様子ですが、その新SDKで可能になった指の動きの取得機能を用いて、銃の引き金を引くトリガアクションを、手のグー・パーに対応させていました。
これまでフィットネス系の運動ゲーばかりが取り沙汰されてきたKINECT対応ゲームですが、指の動きが取れるようになると、状況は変わっていくかも知れませんね。
ソニーはPSVITA押し一辺倒でしたが、実際にとても力が入っているようでした。
日本では現行PSPの求心力に衰えはありませんが、海外では「終わったハード」という認識が強まっています。例えばワールドワイドの週間
ゲームハード販売チャートを見てみると日本での販売台数が現行PSPを支えているという状況です。
この状況にテコ入れをするためにもソニーとしてもPSPVITAへの期待感は相当大きいようです。
PSVITAタイトル開発の現場から「開発機(PSVITA本体)が送付されてくるたびにパフォーマンスが違って困ってます」という声が聞かれたりもしますが、それも含めて、概ねピークパフォーマンスの見積もりは出来たようです。心配されてきたシェーダパフォーマンスですが、法線マップを貼るくらいは普通に出来ているようです。PowerVRだけに半透明に関しては…みんな苦労されているようですね。
いずれにせよ、PSVITAは登場が楽しみです。前面カメラの位置はどうにかして欲しいですけどね(笑)
任天堂は、満を持して新ハード「Wii U」を発表。当初はHDMI対応版Wii、いわゆる「Wii HD」の形態として噂されていましたが、蓋が開いてみればその実体は想像を大きく上回るものでした。
現行Wiiはハードウェアスペック的には、先代のゲームキューブとほとんど代わり映えがしないものでした。任天堂人も陰では「ゲームキューブ1.5」と認めていた節もある現行Wiiですが、今度のWii Uはアーキテクチャが刷新されますから、もう、そういう陰口も叩かれなくなることでしょう。
ゲームキューブが出たのが2001年、Wii Uが2012年登場予定ですから、約10年ぶりのアーキテクチャ刷新と言うことになりますね。
特にグラフィックス機能は大幅に向上され、Xbox360やPS3の上を行くとも言われています。
Unreal Engine3やCRY ENGINE3などの世界の著名ゲームエンジンは全てWii U対応へ動き出しましたし、マルチプラットフォームゲームにおいて「任天堂ハードだけ仲間はずれ」ということが、これからはなくなるはずです。
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