ちょっと前になりますが、GAMEWATCHでやっている連載「3Dゲームファンのための~」で「ストリートファイターIV」(SF4)を取り上げました。
2年ほど前に取材を試みたときには断られてしまったのですが、今回は幸運にも取材をうけて貰えました。2年ほど前の時は、「Dimpsで開発された」ということが表向きには非公開の事実だったのですが、今年、日本のゲーム開発者会議であるCEDEC2011にてSF4がビジュアルアーツ部門賞を獲得したことで、取材の窓口の敷居が一気に低くなりました。
人前に立つことの多いカプコンの綾野さんはもちろんですが、開発部隊のDimpsの塚本さん、亀井さん、竹歳さん達もとても熱い方達で、取材すればするほど情報が出てくるんですよね。毎度、この連載の取材は白熱しがちですが、この時もかなり長い時間滞在してしまいました(大阪日帰りなのに)。
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西川善司の3Dゲームファンのための「(スーパー)ストリートファイターIV」グラフィックス講座(前編)
美化された「ストII」の記憶を3Dグラフィックスで再現した秘密のレシピに迫る!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/series/3dcg/20111130_494044.html
情報量が多かったので、記事は前後編に分けて執筆しました。
前編では、おもにシェーダー回りの話題を取り扱っています。
疑似スキンシェーダとか、3方向の環境光のテクニックなんかは、低負荷で面白い効果が得られるので、これからちょっと流行ったりするかも?
そしてなにより、絵筆のタッチシェーダが法線マップで実現されてたことに驚かされます。
1キャラあたり総ボーン数が約350本程度。これだけでも凄いですが、顔面にもボーンが54本仕込んであるというのも相当なもんです。ちなみに、念のために付け加えておくと、これはイベントシーン用のキャラでなく、プレイ中のキャラの仕様です。
「そんなに顔が動くシーンあったっけ」と、SF4シリーズのヘビープレイヤーでも気がついていないことが多いようですが、よく観察すると、プレイ中でもこの54本のボーンを駆使した多彩な表情アニメーションが再生されていることが分かるはずです。
SF4のキャラクタ達は顔も身体の動きもとても生き生きとしていますが、こうした工夫の1つ1つの積み重ねによって実現されているんでしょうね。
記事後半では影生成についても触れていますが、その生成には、パフォーマンスと見た目のクオリティを両立させるために、技術的にとても高度かつ面倒なことをしています。この辺りのこだわりにも職人魂のようなものを感じます。
最近、格闘ゲームから離れてしまった人でも、機会があれば是非プレイしてみてください。
ゲーセンに行けば稼動していますし、PS3版,Xbox360版も発売中。
さらにはいつのまにか、Windows版も出ています(下右端)
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