2012年1月20日(金)のことらしいのですが、マイクロソフトのデベロッパー&プラットフォーム統括本部 川西 裕幸さんが若くしてお亡くなりになられたそうです。
川西さんはDirectX技術、プログラマブルシェーダ技術などのエバンジェリストとして活躍された人物です。
(川西さんのブログは
こちらにあります)
初のプログラマブルシェーダアーキテクチャ採用ゲーム機であった初代Xboxが日本で不発に終わったことで日本では事実上、2005年のXbox360、2006年のPS3時代になるまで、当時でも前世代機ともいえた固定パイプライングラフィックスベースのPS2が、ゲーム機の主流として延命されてしまいました。
その結果、日本のゲーム開発シーンは、先行して初代Xboxに慣れ親しんできていた欧米よりもその年数分、プログラマブルシェーダに慣れ親しむことに遅れをとってしまうのです。
川西氏は、この技術ギャップを埋めることにご尽力された方です。
日本のゲーム開発者にとって川西氏は「DirectXの父」「プログラマブルシェーダの父」というような存在だったといえるかもしれません。
数々の著書や海外技術書の翻訳に従事された功績が称えられて、2010年のCEDEC AWARDでは
著述賞を受賞されています。
僕自身もメディアという立場ながら川西さんとお話する機会は何度かありました。
僕自身が川西さんの講演などを記事化したことも、過去2回ほどあります(下記)
CEDEC2005 - マイクロソフト、Game Developers Dayで「XNA」を詳細解説
http://news.mynavi.jp/articles/2005/09/30/cedec/index.html
CEDEC 2006 - マイクロソフト、DirectX 10とWPFについて解説
http://news.mynavi.jp/articles/2006/09/11/cedec1/index.html
1年に1度か2度しかお目に掛かっていないにもかかわらず、CEDECやSIGGRAPHなどの取材先で、ばったり出会ったりすると顔を覚えていて下さっていて「元気でやってる?」などのやさしい言葉を掛けてくれたりしました。
本日が告別式だったようです。
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
Comments
GameProgrammingGemsやCuttingEdge等、多くの技術情報を提供して下さった、ゲームプログラマにとってまさに伝道師でした。
お悔やみ申し上げます。