「大画面はプラズマだけやで!」と叫び続けてきたパナソニックが、ついにその呪縛を捨てて大型サイズの液晶テレビのリリースを開始しました。
今回、大画面☆マニアで取り上げた液晶VIERAは47インチサイズのTH-L47DT5でしたが、55V型も存在します。55V型の液晶テレビというと、他メーカーでも最大サイズ級の製品になります。
ただ、プラズマと液晶の両製品をラインナップするパナソニックとしては、ユーザーからの「プラズマと何が違うの?」という問いに、ますます明解な答えを示せなくなってしまいました。
そこで、今回パナソニックが液晶VIERAでやってきたのは、薄型デザイン、狭額縁デザインといったデザインセントリックな商品展開です。
他誌のテレビレビューでは編集部の編集スタッフが編集部内のスペースに設置したものを評論家が見たり、あるいはレビュアがメーカーのショールームに行ってみたりするだけですが、大画面☆マニアは、実際に実機を送ってもらって、実際にボクが家に運びいれて僕自身で設置して配線までします。
つまり、「見る」だけでなく、「設置する」ところから評価をしています。
言い換えると、実際にユーザーが買ったことを想定した評価をしています。
そこで毎回、憂鬱になるのが、運搬なわけです(笑)。
ほとんどの場合、自分一人で二階の評価ルームまで担いで階段を上がっていますからね。
で、今回のVIERA DT5は、実際に担いでみて非常に軽いことに驚かされました。
力持ちでもないボクでも、47インチの大きさなのに一人で軽々担ぎ上げて階段を上がれてしまったんです。
この楽ちんな設置性はDT5の隠れた魅力といえそうです。少なくとも、「ひとり暮らしの大画面好き」には響くフィーチャーになりそうです。
西川善司の大画面☆マニア第162回
パナソニックの液晶が大画面に。VIERA DT5
~最上位液晶VIERAでデザイン新提案。「TH-L47DT5」~
http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/dg/20120511_531010.html
3Dの画質もかなりよかったです。
3Dメガネは赤外線同期ではなく、2.4GHz帯の電波による同期なので安定感もありましたね。赤外線式はテレビとの間に遮蔽物があると同期を見失うことがありますし、なにしろ室内が赤外線にまみれるのでエアコンのリモコンとかが効かなくなったりするんですよね。今回のVIERA DT5ではそういったことはありませんでした。
いいところが多いVIERA DT5でしたが、黒浮きに関してはかなり強く出ていました。暗部階調も薄明るくなってしまっていましたし、黒表現に関しては他社の液晶にも及ばず…といったかんじでした。ここは改善の余地があると思いましたね。
そうそう。
それとパナソニックも、ついに低遅延なゲームモードを搭載してきました。まだまだ、絶対的な遅延量はレグザなどには及びませんが、いずれ改善されていくはずでしょうし、いままでほとんどゲームやPCとの接続性に関して気を配ってこなかったVIERAが、今期モデルからこういう対応をしてきてくれたことは大きな進歩です。高く評価されるべきでしょう。
Comments
ただ、このモードはフリッカーが大きいようです。
レグザについて関係者にお話を伺ったところでは、60Hz周期のスキャン、60Hz周期の黒挿入のモードはないとのことでした。やはりフリッカーなどの観点から搭載していないようです。
ちなみに、プラズマは時間方向に階調を作るので液晶とは違った残像が出ます。
まぁ、究極的にはインパルス駆動な有機ELがいいんですかね。
三菱のMDR2やSONYのHX850が解説を見る限り60Hzのインパルス型表示も可能な
モードを持っているようですが
違いましたでしょうか?
DT5については了解しました。ありがとうございました。
http://panasonic.jp/viera/products/dt5/l_picture.html
現行テレビ製品で60HzのLEDバックライトオフを採用しているモデルがあるとのことですが、それはどのメーカーのどのモデルでしょうか。
60Hzバックライトオフはフリッカーが多くなるので最近は少数派だと思っていたのですが…。
ちなみに、ソニーのプロジェクタは60Hzの光源オフの黒挿入をやるモードが用意されています。
60fpsソースの見え方で考えていましたのでその点的外れだったらすみません。
いま使っているDT3ではバックライト輝度を下げていくとスキャン同様の点滅動作
になり、この時4倍速をオフにすると60fpsのパンやスクロールなどで多重像が見えます。
24fpsは補間なしだとフリッカ対策上、CRTでも72Hzや120Hzで表示すると3重像や
5重像が見えるので仕方ないと思うのですが、60fpsソースで多重ブレが見えるのは
綺麗ではなかったので補間オフのときは点滅周期は60Hzになるのがいいのかな
と考えてました。最近は60Hzのインパルス的表示ができるテレビも出てましたので
DT5でも同様の仕組みはあるのかと思い質問いたしました。
ホールドボケは一フレームが同じ場所で連続的に光り続けてる間に、視線が移動する
ことで網膜上で映像が連続的にズレていくことでボヤケて知覚される現象、多重輪郭
は連続的なボヤケではなく、同じコマが間欠的に複数回表示されることで、視線移動
中の網膜上のズレた位置に飛び飛びに重なって多重に見える現象と理解してます。
以前24fpsの映像に黒コマ追加して72fpsに加工して72HzのCRT上で実24Hz表示
できるようにして視聴したことありますが、フリッカが激しく実用的ではないものの
ジャダーもボヤケも出なくてちょっとおもしろい感じになりました。
それといわゆるYUV滲み問題もチェックして頂けると幸い。
多重輪郭とはホールドボケのことでしょうか?
ホールドボケは人間の視覚メカニズムに起因するものですね。
液晶の応答速度に起因する残像やボケはテレビ製品だと少なくなってきましたね。
フレームレートですが、最近のものは30fpsのものは内部的に60Hz化していますし、24fpsのものは72Hz、あるいは96Hzや120Hz化していますね。バックライトも基本的にはそうした整数倍でやっています。
ひとつ気になったのですが、倍速オフのときにバックライトスキャニングだけ
が働いている場合、フレームレートとスキャン周波数が非同期となりズレで
多重輪郭のアーティファクトがでるものもありますがDT5では問題がないの
でしょうか?
http://patent.astamuse.com/ja/published/JP/No/2011039132
シャープの特許にあるようにスキャン周波数をフレームレートに合わせて
変更する仕組みなどあるのならいいのでしょうが。