DirectXの進化が止まっている…というのは、
先日のOpenGL関連レポートでも触れましたが、実は、GPUの進化が止まっているわけではないんですよね。
確かにグラフィックスレンダリング関連技術に関しては、やや停滞ムードがありますが、GPUメーカーは、GPUをより汎用プロセッサとして使えるようにしようと、開発に力を注いでいます。
かつて、CPUも様々なアーキテクチャが出てきたり、新しい命令セットやらキャッシュ概念が出てきたりしましたが、一段落した後は、CPUメーカー達は、それを活用しやすくするための改良に乗り出しました。あの状況と現在の状況はよく似ている…といえるかもしれません。
NVIDIAの新機軸を理解する(1):GeForce GRIDが描く「ゲームスタジオが独自のゲームプラットフォームを描く時代」
http://www.4gamer.net/games/076/G007660/20120911008/
今、GPUメーカーが(今回の記事では、NVIDIA…ということになりますが)、GPUに対してどんな新技術を載せることに注力し始めたかというと、それは「GPUの仮想化」です。
現在は、仮想マシン向けのGPU仮想化ですが、そうした技術は、そのうちクライアント上でのリアルタイムコンテクストスイッチングの実現などにも到達するはずです。(現在のGPUのコンテクストスイッチングは、フレームレンダリング単位でしか行えなかったり、モードチェンジが必要だったりと、ノンプリエンプティブな仕組みになっています。Windowsでいうと3.1みたいなイメージ(笑))
NVIDIAが、ここのところGPUに対して何をやっているのか…ということを「GPU仮想化」をメインディッシュにして3回にわたって解説するのが、今回の短期連載のシリーズになります。
第1回では、話題のクラウドゲーミングの話題を取り扱っています。
GPU仮想化により、クラウド側の仮想マシンでゲームを実行させて、その映像をストリーミングで提供して…ということが極めて現実的に行えるようになる…というのがNVIDIAの主張です。
近い未来、バックボーンは数百テラビットクラス化されるでしょうし、遅延についても、ゲーム内時間さえプレイヤー間で正しく共有できる程度の安定した高速通信があればさしたる問題にならないことは、昨今のネットワークベースの通信格闘ゲームが成り立っていることを踏まえれば自明です。
また、こうしたクラウドゲーミングがメインストリーム化した世界では、家庭用ゲーム機を、そのライフタイム内において、ゲームスタジオ側で、ハードウェアスペックを自由にアップグレードする…なんていうことも実現出来るようになります。
さらにこの概念が進むと、ゲームスタジオ側で、自社ゲームに適したゲームプラットフォームを自在に設計する…ということにも繋がっていきます。
この辺りの「壮大な未来予想図(?)」については、NVIDIAの技術者のコメントと織り交ぜて解説していますので、興味のある方はぜひとも記事の方をご覧下さい。
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