シャープが実用化したIGZO技術。
IGZOは、シャープが液晶パネルに組み込んで実用化させてきたことから、どうしても液晶のための技術と思われがちです。
今回、シャープからの依頼もあってIGZO技術とはなにかをまとめてみました。
記事冒頭にX68000とかMZとか書いちゃってるのは同世代のオジサンホイホイです(笑)
未来の半導体がいま、現実に~「IGZO」とは何か?西川善司が解説
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重要なのは、IGZOは様々な分野に活かせそうな半導体デバイス技術だと言うことです。
IGZOだけではありませんが、酸化物半導体には、シリコンなどの単元素半導体にはない優れた特性があり、低リーク電流、高いオフ抵抗のトランジスタが形成できます。実際、研究グループはIGZOベースのCPUなんかも試験的に作っています。
デジカメ用の撮像素子にもIGZOが使われる可能性も大きいと言われていますね。
そんなIGZOをシャープは、まず、液晶パネルの画素駆動用のTFT回路形成を実用化したわけです。
そのうち、有機ELパネルの画素駆動用のTFT回路にも応用されるかもしれません。
そうそう。記事でも触れていますが、シャープはIGZOベースの液晶パネルを「IGZO TFT液晶」と記載するようなのですが、昔「TFT液晶=TN型液晶」とする風潮がまかり通ったことから、IGZO TFT液晶がTN液晶と勘違いされないか懸念されます。
IGZOで形成したTFT回路はVA型液晶にもIPS型液晶にも使えるんです。
実際、IGZO TFT液晶は、製品によってVAだったり、IPSだったりするようです。
なお、IGZOとは「イグゾー」と読むのですが、
新日本ハウスのCMソングを歌っている演歌歌手とは何の関係もありません。
そのうち、吉永小百合にかわって液晶の新CMキャラクタに抜擢されたりしたら笑えますが…。
Comments
決算発表のプレゼンで堺工場にもIGZO導入検討というくだりがありましたが、あまりメリットが見いだせないですね。敢えて挙げるなら回路微細化による開口率改善がメインになるでしょうか。
> ただ、IGZOの休止駆動性能はすごくて、電源を落とすとしばらくはバックライトは消えても映像パネルの表示は電子ペーパーのようにしばらくは残ってしまうため、
まさにGalapagos端末には最適ですね。電書事業そのものがアレですが…
アップルがCAAC-IGZOパネルを要求なんていう噂も出たりしてますが、IGZOはシャープ外交の要ですね。他社へのライセンスがあるのかどうか興味のあるところです。
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20121130/253691/?ST=fpd&P=2
浜松町機会があれば行ってみたいと思います。
回答ありがとうございました。
休止駆動は、スマートフォンやタブレットなどの中小サイズに効く技術ですね。
そうした中小サイズ機器では、デスクトップ画面や電子書籍画面など、超低フレームレートの映像や静止画像の表示割合が多いので効果があるとされています。
宣伝イラスト表示や時刻表表示などのデジタルサイネージ向けディスプレイにも効くはずですが、大画面ではバックライトの消費電力割合の方が大きいので休止駆動の効果はそれほど大きくはならないといわれています。実際、今度発売される32インチの4K2Kディスプレイには休止駆動は入っていないということでした。
ただ、IGZOの休止駆動性能はすごくて、電源を落とすとしばらくはバックライトは消えても映像パネルの表示は電子ペーパーのようにしばらくは残ってしまうため、ユーザーに焼き付きと誤認される恐れがあることから、わざわさ、電源オフ時には黒(あるいは白)表示を書き込んでから電源を落とすようにしているそうです。そこまでIGZOのオフ抵抗は高いんですね。浜松町SEAVANSにあるシャープのショールームにいくとそのあたりの話が聞けるはずですよ。
また画面にマチキャラやアニメショーンGIFなど、動くものがあった場合も同様にオフ性能の利点は失われることになります。
その場合、画面の状況に応じてタッチパネルの感度が変わってしまうことになると思うのですが、その辺はどうなんでしょうか。エリア駆動的な回避方法があったりするのでしょうか。ちょっと疑問に思いました。