リアルタイムレンダリングデモ「Agni's Philosophy」に用いられた最新グラフィックス技術の全容を見る(前編)

 スクウェアエニックスの新世代ゲームエンジン「LUMINOUS STUDIO」を使用して作られたリアルタイム技術デモ「AGNI'S PHILOSOPHY」に利用されたグラフィックス技術の解説です。

 既に今夏、GAMEWATCHの連載でもやりましたが、今回の記事の方がより詳細で網羅的です。

 スクウェアエニックス・オープンカンファレンスのレポート記事の括りにはなりますが、後発の記事なので、当日のセッションで解説されたことをなるべく省略せずに(もちろんテキスト化するにあたってははしょった部分はありますが)、記事化いたしました。

 セッション当日は駆け足になっていた後半部分についても、追加メール取材を行ってフォローアップして解説をしています。

 結果、前中後編の三部作原稿になってしまい、テキストだけで80KB(全角文字にして約4万字)になってしまいました(笑)。

 自分でもだいぶ勉強になりました。

 前編はAGNI'S PHILOSOPHYがどんなスペックのマシンで動いていたのかといった話や、ポリゴン数などのグラフィックススペックの話、そして大局照明関連、人肌シェーダ、眼球シェーダの話題を取り扱っています。


[SQEXOC 2012]リアルタイムレンダリングデモ「Agni's Philosophy」に用いられた最新グラフィックス技術の全容を見る(前編)
http://www.4gamer.net/games/032/G003263/20121201006/

 そういえば一連の「AGNI'S PHILOSOPHY」に対するTwitterを初めとしたネット上の反応で、おかしなものが散見されますね。

 まず、未だにポツポツとあるのが、リアルタイムレンダリングだと言うことがここまで訴求されているのにもかかわらず、プリレンダー作品だと思われちゃっている反応。

 まぁ、クオリティが高いんで、むしろ開発側としては名誉な勘違いのされ方でしょうけれども…。

 あと、意外に多いのが「グラフィックス技術が進歩したってゲームが面白くなければだめだよね…」という反応。

 オフラインレンダリングCGの進化が映画の表現を遙かに豊かにしてくれたように、ゲームグラフィックス技術の進化も、ゲームに対して新しい表現をもたらしてくれるはずで、この進化の加速度を後ろ向きに捉える必要はないでしょう。

 映画CGの例で行けば、ピクサーの初期作品は「TIN TOY」とか、こんなだったわけで、CG技術とハードウェアの進化があってこそ、感動巨編の「トイストーリー」トリロジーなどが生まれたわけですからね。

 EPIC GAMESのSAMARITAN DEMOELEMENTAL DEMOが次世代UNREALとか次世代GEARS OF WARをイメージさせてくれるように、今回のAGNI'S PHILOSOPHYはここから次世代ファイナルファタンジーをイメージして期待していいんではないかと思います。

agni_ao.jpg

 今回の試みは、次世代機のジェネレーションで、技術面で欧米に出遅れないように研究開発に力を入れている前向きな姿勢として捉えられると思います。

 また、「うちはここまでやっている」というのを率先してアピールしているのは、自慢…というよりは、日本のこの業界を盛り立てるために意図的にやっているんでしょう。

 実際、小島プロは、AGNI'S PHILOSOPHYの直後にFOX ENGINEを公開して新作メタルギアをアピールしてきましたし、2013年は、ある国内大手スタジオが次世代機向けの技術を発表するというタレコミをボクもキャッチしていたりします(笑)

 2013年も、忙しくなりそうで、楽しみです(笑)

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